ツバメの鳴き声の種類・特徴やさえずりについて解説
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毎年春ごろに日本にやってくる渡り鳥といえば、ツバメですよね。軒先などに作られる巣や、空を飛ぶ姿は夏の訪れを感じさせてくれます。
季節の変わり目を感じさせてくれるツバメですが、みなさんはその鳴き声を聞いたことはありますか。姿は毎年よく見るけれど、鳴き声はそこまで意識したことはない。どんな鳴き声かと聞かれると、ぱっと頭に思い浮かばない。そんなひとも多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、ツバメの鳴き声について徹底的に解説していきます。ツバメの鳴き声や鳴き方には種類があり、意味も違ってきます。今度ツバメを見た時は、この記事を参考に鳴き声にも注目してみましょう。
ツバメの特徴
まずはみなさんがご存知のツバメについて、簡単におさらいしていきましょう。
日本で見られるツバメですが、実は種類が複数あるのはご存知でしょうか。みなさんが想像する「ツバメ」のほか、5種類のツバメがいて、それぞれ特徴が少し違います。
- ツバメ
- イワツバメ
- コシアカツバメ
- ショウドウツバメ
- リュウキュウツバメ
- ヒメアマツバメ
まず代表的な種類の「ツバメ」は、全長約17センチ。頭と背中、翼が光沢のある藍色で、お腹が白く額と頰、のドアが赤い色です。オスとメスに違いがあり、オスの尻尾が長く、二股に別れている特徴があります。このオスの尻尾が長ければ長いほど、メスにモテます。
次にご紹介する「イワツバメ」は、ツバメより少し小さい14センチ。岩場に巣を作るので、「岩ツバメ」と名前がつきました。見た目もツバメと少し違い、額と頰の赤がなく、頰から下が全て白。また背中の後ろ、腰部分に白い模様が入っています。
「コシアカツバメ」は、名前の通りに腰に赤い模様がついているのが特徴。また目の横にも赤い模様が入っています。ほかにも特徴として、お腹の部分に茶褐色のまだら模様が入っています。全長は18センチ前後で、ほかのツバメよりも大きいという特徴もあります。
「ショウドウツバメ」は体が小さいのが特徴で、12センチと極小サイズ。色が茶褐色でほかのツバメよりも薄くなっています。
「リュウキュウツバメ」は、名前の通りに沖縄などの暖かい地域にいる生息しているツバメです。ほかのツバメと違って、その地に生息しているのが特徴で渡り鳥ではありません。見た目はツバメとほぼ同じですが、体が小さく13センチなのが特徴です。
「ヒメアマツバメ」は、関東の一部に生息しているツバメで、リュウキュウツバメと同じく渡り鳥ではありません。見た目はイワツバメと似ていますが、こちらも小さく13センチです。
ツバメの生態
次にツバメの生態について、簡単にご紹介していきましょう。
ツバメはご存知のとおり、毎年春にやってくる渡り鳥です。暖かい地域だと2月の下旬ごろから、寒い地域だと4月上旬ごろに日本に飛来します。
渡り鳥の「渡り」にはいろいろあります。群れを作って日本に飛来する鳥もいますが、ツバメは集団行動を取らずに個々にやってきます。これはツバメの飛行能力に個体差があることと、天敵に見つかりにくくするためです。
またオスとメスとでは飛来の時期が少し違い、オスの方が早く日本にやってくる傾向があります。これは繁殖するさいに、オスが巣を作ってからツガイのメスを探すためだと考えられています。
さえずりと地鳴きについて
ツバメの鳴き声について解説する前に、まずは鳥の鳴き声の主な種類についてご説明。みなさんは鳥の鳴き声に「さえずり」と「地鳴き」があるのはご存知でしょうか。
「さえずり」というのは、鳥が繁殖期に出す声です。主にオスの鳴き声で、メスを呼んだり求愛のために出す声です。一方の「地鳴き」は、普段の鳴き声。主にオスメス両方が出し、仲間とのコミュニケーションを取るために出す声です。
さえずりは求愛のために出される声なので、地鳴きよりも綺麗なのが特徴です。ではツバメのさえずりと地鳴きについて詳しくみてみましょう。
ツバメのさえずり
ツバメのさえずりも、主にオスが出す声です。「ちゅぴちゅぴちゅぴ、じー」というふうに鳴きます。「ちゅぴちゅぴ」と鳴く声質はスズメに似ていますが、スズメよりも早口で鳴きます。ツバメのさえずりは、ほかの鳥と比べて長くて複雑。最後に「じー」と音がにごるのが特徴です。
さえずりは求愛の鳴き声なので、聞ける時期は限られているという特徴もあります。ツバメのさえずりが聞けるのは、繁殖期でもツガイを探す時期。なので、日本にやってくる2月下旬から、ツガイを見つけて巣を作りはじめる4月上旬ごろになります。
ツバメの地鳴き
ツバメの地鳴きは、オスとメスが出す声です。鳴き方はさえずりと似ていて、「ちゅん、ちゅぴちゅん」といったふうに鳴きます。たださえずりと比べると、ゆっくりとした調子です。
地鳴きはツバメ同士がコミュニケーションを取るための声なので、ツバメが日本にいる間はいつでも聞ける鳴き声です。
ツバメのそのほかの鳴き声
鳥の鳴き声で代表的なのが「さえずり」と「地鳴き」です。けれどツバメの鳴き声を詳しくみてみると、ほかにも種類がありそれぞれ意味も違います。それでは次に、ツバメの特徴的な鳴き声を一つひとつ詳しくみていきましょう。
ジージー鳴き
ツバメの特徴的な鳴き声のひとつ「ジージー鳴き」。「じーい、じーい、じじ」というふうなにごった声で、最後にちゅぴちゅぴとさえずりが混じることがあります。
このジージー鳴きはさえずりの一種で、オスがメスを誘うときの鳴き声です。オスが巣を作ったあとにこのジージー鳴きでメスを呼び、「ここでヒナを育てよう」と巣を見せて誘います。
このときメスが巣を気に入ったら、2羽はツガイとなります。メスが気に入らなかった場合は巣を離れ、オスは別のメスを誘います。
チャカ鳴き
次の「チャカ鳴き」は、「ちゃかっ、ちゃかっ」と短い鳴き声です。これはツガイのオスがメスを交尾に誘うときの鳴き声です。このあと数日してから1つ目の卵が生まれるのですが、断られるときもあるようです。
チュイ鳴き
「チュイ鳴き」は、「ちゅいっ」と短い鳴き声です。これはツバメの親鳥がヒナ鳥にエサをあげるときに鳴く声です。生まれたばかりのヒナは目が開いていないので、親鳥が「ちゅいっ」と鳴くことでエサを持ってきたことを知らせます。この「チュイ鳴き」を聞いたヒナは一斉に口を開け、親鳥にエサをもらいます。
ツピー鳴き
「ツピー鳴き」は、「ツピー、ツピー」と大きく鳴きます。これはツガイやヒナに警戒を知らせるための鳴き声です。巣の近くに外敵がいたり、危険が迫っているときに鳴きます。
ツバメはこのツピー鳴きを聞くと、ほかの巣のツバメも集まってきてツピーツピーとみんなで鳴きます。こうして集まってきたツバメたちは、複数で外敵の周りを飛び回り、協力して追い払います。またこの鳴き声を聞いたヒナも警戒を行い、体制を低くして巣の中に隠れるなどの行動を取ります。
このツピー鳴きは、主にカラスや猫などの外敵に警戒して鳴かれる鳴き声です。しかし春に日本にやってきたばかりのツバメなど、人間に対してもこの鳴き声を使って警戒することがあります。日本に飛来した当初のツバメは、まだ人間に慣れずに警戒をしています。ただ次第に人にも慣れてきて、人間に対してのツピー鳴きはしなくなっていきます。
ジャージャー鳴き
「ジャージャー」鳴きは、ツバメのヒナが出す鳴き声で、エサが欲しいとアピールするときの声です。生まれたばかりのヒナはあまり鳴きませんが、大きくなってくると「ジャージャー」と大きく鳴くようになります。親鳥はこの鳴き声が大きいヒナにエサを与えていきます。
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