
アンペアブレーカーが上がらない原因は?復旧や予防方法も解説!
「朝、夕の忙しい時間に限ってブレーカーが落ちる!」
「夜に家族が揃うと、たまにブレーカーが落ちる時がある……」
なんて思ったことはありませんか?
その原因は、契約している電流のA(アンペア)を超えて電気を使っているからです。
ここまではご存知の方も多いでしょう。
では、どのような対処法があるかまで考えたことはありますか?
対策を知り実行することで、普段の生活がより快適になるかもしれません。
この記事では、ブレーカーが落ちる原因や落ちないための対策などを簡単に解説しています。
アンペアブレーカーの役割

まず電力会社から送られた電気は、電線を通り近くの電柱まで高電圧(6600V)で届きます。
電柱の上にある変圧器で低圧(100V)になり、引込線で家の中に入ります。
入ってきた電気を各部屋に分けるための設備が『分電盤』です。
契約したアンペア数が決まっている
分電盤の中にはいくつかのブレーカーがあり、一番左にあるのが『アンペアブレーカー』です。
『リミッター』とも言います。
電力会社と契約した電流をA(アンペア)で表しています。
【電流の計算方法】
電力W(ワット)/ 電圧V(ボルト)= 電流A(アンペア)
アンペア数を超えると自然に電気が切れる

電力会社と契約している最大アンペア数を超えると、電気を遮断する(アンペアブレーカーが落ちる)仕組みになっています。
アンペアブレーカーが落ちると家の中全体が停電します。
ブレーカーは他に2種類あります。
- 主幹ブレーカー(主に漏電遮断器)
- 安全ブレーカー(配線用遮断器)
主幹ブレーカー
分電盤の真ん中にあることが多く、主に漏電を防ぐための役割があるため『漏電ブレーカー』とも呼ばれます。
漏電による電流の量の変化を察知して電気を遮断する仕組みです。
電力会社によっては、アンペアブレーカーと主幹ブレーカーが一緒になっている場合があります。
主幹ブレーカーから各部屋へと電気を分けます。
安全ブレーカー
分電盤から分岐した配線ごとに設置されているブレーカーです。
『子ブレーカー』、『分岐ブレーカー』とも言います。
主に部屋ごとに分けたり、電気を多く使う家電だけ別にします。
基本的にそれぞれ20Aまで使うことができ、分け方に決まりはなく増設することもできます。
アンペアブレーカーが上がらない理由とは?

アンペアブレーカーが落ちた時はすぐにレバーを上げようとせず、先にいくつか確認する必要があります。
なぜなら、アンペアブレーカーが落ちた原因がわからないと対処できないからです。
停電していないか確認しよう
まず家の周りが停電していないか確認してください。
もしも周りの家も停電しているようなら、電気が復旧するまでは停電したままです。
復旧させるのは電力会社の仕事なので、気長に待ちましょう。
詳しく知りたいのなら電力会社に電話するか、電力会社のWebサイトの停電情報が載っているページで確認できます。
また、カミナリで一時的に停電することもあります。
家全体の電気の使い過ぎが原因!

一番多いのがこのパターンです。
家事が集中する朝と夕方の時間帯や、家族が帰ってきてそれぞれが同時に電化製品を使うため、アンペアブレーカーが落ちる可能性があります。
電力の大きい電化製品を同時に使うことで、契約アンペアを超えてしまいアンペアブレーカーが落ちます。
この場合、同時に使わなければ問題ないので、時間帯をずらすのもひとつの方法です。
家の中の一部が停電する場合は、その場所の電気を同時に使い過ぎたため安全ブレーカーが落ちたと考えられます。
アンペアブレーカーの復旧方法

ここからはアンペアブレーカーが落ちた時の復旧方法について詳しく説明していきます。
きちんと対処しないと、ブレーカーを上げてもすぐに落ちることがあります。
(1)使っていた電化製品を一度オフにする
家の中で使っている電化製品のスイッチをOFFにしたり、電源プラグをコンセントから抜きます。
停電した時に止まる電化製品も多いですが、スイッチがある場合は切りましょう。
(2)落ちたアンペアブレーカーを上げる
スイッチをOFFにしたら、落ちたアンペアブレーカーを上げます。
契約アンペアを超えて電気を使っていたことが原因なら、この方法で復旧するはずです。
もしレバーが途中で止まっていたら、一度下まで下げてから上げる場合もあります。
頻繁にアンペアブレーカーが落ちるようなら、契約アンペアを見直す方が良いでしょう。
アンペアブレーカーの予防策

アンペアブレーカーが落ちないようにするにはどうすれば良いのでしょうか?
基本的な対策は下記の2つです。
自分の家に見合ったアンペア数にしよう
電力会社と契約しているアンペアを大きくしましょう。
契約アンペアは、家の中で同時にどのくらいの電気を使うか考えて決めます。
一般的に単身やふたり暮らしの世帯は30Aの契約が多く、3人以上になると40A以上が多くなります。
通常60Aまでは変更することができ、オール電化の家庭など、電気を多く使う場合に必要になります。
電力会社に連絡すれば契約アンペアを変更できます。

契約変更の注意点
契約変更は基本的に無料でできますが、家の中の分電盤や配線の工事が必要な場合は費用がかかります。
契約アンペアが大きくなるほど、電気代の基本料金が高くなります。
契約変更すると、その後1年間は変更できません。
スマートメーターについて
スマートメーターを設置した後にアンペア容量の変更をした場合、アンペアブレーカーを撤去しスマートメーターが自動でブレーカーのONとOFFを切り替えるシステムになっていることがあります。
この場合は短時間に何回もブレーカーが落ちると停電状態のままになり、復旧させるには電力会社へ連絡する必要があります。
電化製品を見直す

家の中で使っている電化製品を見直すことで、アンペアブレーカーが落ちないように予防することができます。
【電化製品の予防策】
- アンペア数が大きいものを同時に使わない
- 使っていないならコンセントから電源プラグを抜く
電力が大きい電化製品は主に次のとおりです。
- エアコン
- 電子レンジ
- ドライヤー
- 炊飯器
- IHコンロ
- 食洗機
- 洗濯乾燥機
- 掃除機
ブレーカーが落ちる原因が電気の使い過ぎによる場合は、これまでの方法で解決することができます。
それでも勝手にブレーカーが落ちるようなら

家電製品を見直し、同時に使う時間帯を注意したとしてもブレーカーが落ちてしまう場合は、他の原因が考えられます。
分電盤の故障や漏電などです。
漏電はある程度自分で調べることができます。
【漏電箇所の確認方法】
- 安全ブレーカーを全てOFF
- 主幹(漏電)ブレーカーをON
- 安全ブレーカーを順番にONにしていく
漏電している場所の安全ブレーカーを入れた時に主幹ブレーカーが落ちます。
漏電している場所の安全ブレーカーを切ったままにしておけば、他のブレーカーは入れても大丈夫です。
場所はある程度特定できるので、さらに原因を探しましょう。
原因が電化製品の場合なら修理か買い換える、設備の場合は専門業者に依頼します。
漏電は火災や感電につながり危険です。
不安に思ったらすぐに専門業者に点検をしてもらいましょう。
わからない場合はお気軽にお問い合わせください。
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