コンセントの増設はむずかしい?増設と配線方法を徹底解説
家具の配置によっては、「ここにコンセントがあればいいのに」「コンセントを増やしたい」と思うときもありますよね。必要な場所にコンセントが設置できれば、より便利に電気が使えるようになります。
前提条件として電気工事士の資格が必要にはなりますが、資格をお持ちの方であればDIYでコンセントを増設することが可能です。
今回はコンセントの配線・増設方法を紹介します。電気工事士の資格がある方は手順を参考にしていただき、資格のない方は予備知識としてご覧ください。
コンセントの増設には資格が必要
家のなかで使いたい場所にコンセントがなかったとき、とても不便に感じますよね。そこで、「必要な場所に自分でコンセントを設置したい」と思う人もいるかもしれません。
コンセントを増設する行為は電気工事に該当するため、「第二種電気工事士」の資格が必要になります。電気工事の資格を持っている人であれば、コンセント増設や設置をDIYすることが可能ですが、資格がなければできません。
知識や技術のない人が電気工事(配線工事)をおこなうと、感電や漏電などのリスクがあり非常に危険です。そのため、コンセントの増設をはじめとする電気工事を「自分でやりたい」と考えている人は、電気の基礎知識を学び、第二種電気工事士の資格を取得しましょう。
※豊富な知識がある人でも、資格がなければ電気工事はできないと法律で決まっているので注意してください。
どんなコンセントを増設できる?
以上に記載がある通りコンセントの増設には電気工事の資格が必要です。
それを踏まえた上でコンセントには一体どのような増設方法があるのでしょうか?以下のようにコンセントの増設事例は様々あります。
ケース | 増設方法 | 手段 |
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電力が小さい家電を使いたい! | 既存の回路からコンセントを増設する | コンセントのさし口を増やす |
配線を分岐して新たにコンセントを増設する | ||
配線を引き直してコンセントの電圧を上げる | ||
電力が大きい家電を使いたい! | ブレーカーから専用のコンセントを増設する | 専用回路の増設 |
アース線付きコンセントを増設する | ||
テレビをほかの部屋でもみたい! | アンテナコンセントを増設する | アンテナケーブルを分岐してコンセントを増設する |
インターネットを2階でも使いたい! | 光コンセントを増設する | 光コンセントは増設できるか |
屋外に電源が欲しい! | 屋外にコンセントを増設する | 屋外専用コンセントを増設する |
EVコンセントを増設する |
消費電力の小さい家電を使いたい場合に有効な増設方法
消費電力の小さい家電や電子機器の一覧
- Blu-rayレコーダー・約30W~40W
- ラジカセ・約5W~20W
- ACアダプター(スマートフォン充電)・約5W~10W
- ACアダプター(ノートパソコン、デスクトップパソコン)・約50W~300W
- 扇風機・約50W
- 加湿器・約20W~300W
- 掃除機・約1000W
- ドライバー(プラス、マイナス)
- ペンチ
- カッター
- 引き回し鋸
- コンセント本体
- コンセントプレート
- パネルボックス
- VVFケーブル
- 水平器
- 接地面、W(N)と書かれている穴には白線
- 電圧側(何も書いていない穴)には黒線
- USBケーブル用のプラグが不要になる
- 火災の原因であるトラッキング現象を起こしにくくなる
- USBハブを直接させるので配線がスッキリして見える
コンセントのさし口を増やす
消費電力の小さい電子機器の充電にあと一つコンセントが必要で「もっとコンセントにさし口があれば良いのになぁ。」と考えながらも延長コードでコンセントのさし口を増やしてしまうなどの経験は誰しもがやってしまったことがあるでしょう。
延長コードを使うとどうしてもたこ足配線になってしまい、配線周りが不格好になってしまいます。
そこで有効なのが以下のようにコンセントのさし口の数を増やす方法です。
Before | After |
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2口コンセントではさし口が足りない。 | 3口コンセント以上のコンセントに増設 |
電気修理業者に依頼すれば簡単に以上のような施工が可能です。弊社は他にもスマートフォンの充電に便利なUSB対応のコンセントへ交換する工事も承っております。詳細はこちらへ
配線を分岐して新たにコンセントを増設する
みなさんは部屋を掃除する時に掃除機を使いますよね。ですが、部屋の隅や廊下にコンセントがなくて掃除機を使えない。なんて経験はありませんか?部屋の真ん中にコンセントの差し込み口がほしい。インターネットを部屋の真ん中で飛ばすために部屋の真ん中にルーターを置きたいけどコンセントがない。
などの問題に有効なのが以下のようにコンセントを増設する方法です。
Before | After |
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コンセントがほしい壁面 | 2口コンセントを新たに増設 |
消費電力の大きい家電を使いたい場合に有効な増設方法
アースコンセントの増設
キッチンやリビングで電子レンジやドライヤーを使いたいなんて経験はありませんか。その他にも熱を起こす家電は消費電力が大きい傾向にあるため、そのような家電は専用の回路を設けるか大きな電力を地に逃がしてくれるアースコンセントの増設が推奨されます。
Before | After |
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コンセントがほしい壁面 | アース対応コンセントをあらたに増設 |
200v専用コンセントの増設
キッチンやリビングで200v専用のIHヒーターやエアコンなどを使いたい場合は。その家電専用の電源をブレーカーから引かなければなりません。
専用のコンセント回路に関して詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。なぜ消費電力の大きい家電は回路を分けなければならないのか、なぜブレーカーが関係してくるのかなどの情報を余すことなく施工の事例と共に解説しています。
Before | After |
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コンセントがほしい壁面 | 200V対応コンセントをあらたに増設 |
アンテナコンセントの増設
テレビを2階や別の部屋で視聴したい。だけど、アンテナケーブルをさすコンセントが足りない。なんて考えたことはありませんか。
この場合はアンテナコンセントを増設すれば別の部屋でもテレビを視聴することが可能になります。
Before | After |
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コンセントがほしい壁面 | アンテナコンセントをあらたに増設 |
屋外専用コンセントの増設
庭や屋上などの屋外でインターホンやカメラ、街灯を設置したいが屋外にコンセントが足りないなんてことはありませんか。屋外コンセントは普通のコンセントとは異なり、屋外などの雨風にさらされて漏電しやすいため浸水などの影響を受けにくい設計になっています。増設にはブレーカーから屋外の専用回路を設ける必要があります。
Before | After |
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コンセントがほしい壁面 | 屋外コンセントをあらたに増設 |
EVコンセントの増設
ガレージや庭などの屋外で電気自動車の充電をしたいけれどコンセントが足りないなんてことはありませんか。そのようなときには電気自動車を充電するためのEVコンセントの増設がおすすめです。
Before | After |
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コンセントがほしい壁面 | 屋外コンセントをあらたに増設 |
コンセントを増設するときの配線方法を紹介
ここからは、コンセントを増設する際の配線方法を紹介します。DIYでのコンセント設置は、すでにあるコンセントと接続する「渡り配線」が一般的です。
基本的にはどのコンセントもやり方や仕様は同じなので、下記の手順を参考にしてみてください。
コンセント増設に必要な道具
コンセントを増設する手順
①ブレーカーを落とす
まずはじめに、ブレーカーを落としましょう。このとき家の中のすべてのブレーカーを落とす必要はありませんが、落とした場所が該当回路かどうかは必ず確認する必要があります。
作業前にテスターを使って、電気が流れていないかを確認しておくとより良いです。ブレーカーを落とさないまま作業すると感電する可能性があり、非常に危険なので注意してください。
②壁についているコンセントを外す
該当回路のブレーカーを落としたら、次は壁に設置されているコンセントを外していきます。コンセントカバーによって多少形は異なりますが、どのタイプでも上下どちらかの隙間にマイナスドライバーを差し込めば、パチっと外れるはずです。
カバーが外れたら、中にあるプレートの上下・取付枠のネジも外していきましょう。この2つを外すと、本体を外すことができます。本体が外れたら、壁の手前に引っ張り出して置いておきましょう。
③壁に穴をあける
次に、増設したい場所の壁に穴をあけます。取り付けに必要な寸法(目安:幅51〜56mm、高さ95〜103mm)を壁にけがき、ドライバーなどで四隅に穴をあけます。
そこに引き回し鋸などの壁を切る道具をセットして、線に沿ってカットしていきます。
ちなみに、配線を外に出したままにする「露出配線」の場合は壁に穴を開ける必要はありませんが、見た目がごちゃつくのでスッキリ仕上げたい場合は壁の中に配線を通す方がよいです。
④穴にケーブルを通す
新しくあけた穴と、もともと空いている穴の両方にケーブルを1本通します。壁から出したケーブルはそのままコンセントボックスの穴に通して、石膏ボードに固定しましょう。(後付けの場合、コンセントボックスが取り付けられないこともあります)
このとき、壁の中に障害物がある場合はケーブルが通せなくなってしまうので、事前にしっかり配線ルートを調査しておくことが大切です。
⑤ケーブルとコンセントをつなぐ
ケーブルの被覆を適切な長さに剥き、コンセント裏側の穴に差し込みます。このとき、差し込む位置を間違えないようにしてください。つなぎ方は以下のとおりです。
先端部分のゴムを剥いたケーブルは、銅線が見えなくなるまでしっかり差し込みましょう。問題なく差し込めていれば、ある程度引っ張っても抜けません。もし間違えた場合は、「電線はずし穴」にマイナスドライバーをいれて押せば外れます。
⑥コンセントを壁に固定する
ケーブルが接続できたら、あとは壁に取り付けるだけです。新しい方のコンセントには、はさみ金具を取り付け、本体を壁に当てて軽くネジをしめます。このとき斜めにならないように、水平器を使って傾きを確認しておきましょう。
水平になっていれば再度ネジをしめて固定し、上からカバーを被せます。既存のコンセントは外した手順(②)と逆の手順で付け直しましょう。
壁に固定できたらブレーカーをあげて、電気が通れば完成です。検電器やテスターを使って、電圧を確認しておきましょう。
コンセントを増設するときの注意点
コンセントを増設するときは、いくつかの注意点があります。ここでは、コンセント増設の際の注意点を3つ紹介します。
1つのコンセントで使える電力量は1500Wまで
一般家庭で使用されるコンセントに流せるのは、15Aまでと決まっています。電圧100Vの場合、
15A(電流)×100V(電圧)=1,500W(電力)
となり、コンセントを増設してもこれ以上の電力量を使うことはできません。容量を超えて電気を使うと、電化製品の故障や火災の原因となるので注意しましょう。
既存のコンセントを使って増設する
今回紹介したのは、もともと設置されているコンセントから回路を増やす方法です。この方法であれば、大規模な工事をしなくてもコンセントを増設することができます。
一方で、消費電力が多く分電盤から新しく配線を引いてコンセントを増やしたい場合や、既存のコンセントから新しいコンセントまでの距離が遠い場合は、大規模な工事が必要になることもあります。
というのも、距離が遠いと繋ぎたいコンセント同士の間に障害物があって電線が通せなかったり、天井裏を経由したりと、さまざまな手段を取らなければさらないからです。
「大々的な工事をしたくない」という人は、今回紹介したような近場かつ既存コンセントからの渡り配線で増設しましょう。
コンセント周りは定期的に掃除する
コンセントの周りは定期的に掃除して、ホコリを溜めないようにしましょう。長期間溜まった状態のホコリは湿気を含み、プラグ間で放電が繰り返されて熱を帯びます。
そのまま放置しておくと、最終的にはショートして発火する可能性があります。これを「トラッキング現象」といい、コンセントとプラグでおこる火災の原因の1つです。
また、ホコリ以外にも髪の毛やホッチキスの芯など、燃えやすくて電気を通しやすいものがコンセントに入り込まないように注意が必要です。
USB対応のコンセントへ交換
弊社では2ピンさし口のコンセントからUSB対応のコンセントに交換する作業を6000円から行っています。また、コンセントをUSB化することで様々なメリットがあるので是非お勧めです。
Before | After |
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2口コンセント | USB対応コンセントへ交換 |
作業費6000円(自社施工の目安料金になります。) |
USB対応コンセントを使うことで以下の様なメリットがあげられます。
興味がある方は弊社ではコンセント増設や交換に関しての電話相談を無料で承っておりますのでご気軽にご相談ください。
コンセントの増設は専門業者にご依頼を!
コンセントを増やすことで『たこ足配線』などもなくせるので、安全になるというメリットもあります。しかし、コンセントの配線工事は資格が必要なため、有資格者でない人はDIYできません。
また、コンセントを増設するとなると壁に穴をあけなければならないため、建築関係の知識も必要になります。そのため、資格を持っていても「1人で増設するのが難しい」と感じる人もいるかもしれません。
そのような場合は、電気工事業者への依頼を検討しましょう。万が一、間違えた配線をおこなうと、漏電や感電のリスクがあり危険です。
街の修理屋さんではコンセント交換を5,500円から承っております。見積もりは無料なので、コンセントの増設を検討している方はぜひご相談ください。
※ページ内に掲載されている料金は作成日当時のものです。状況や時期により実際の料金とは異なる場合がありますので、詳細は電話でお問い合わせください。