エアコンに化粧カバーは後付けできる?取付方法と必要性を徹底解説
「エアコンの化粧カバーを後付けしたい」とお悩みではありませんか?
エアコンの化粧カバー(配管カバー)は、エアコン取り付け工事の際に業者に設置してもらうのが一般的です。しかし、別料金がかかる場合があるため、費用のことを考えて取り付けない方もいらっしゃいます。
エアコンの化粧カバーを自分で後付けしたいと思う方は非常に多くいらっしゃいますが、取り付け方法が分からないと作業できませんよね。
そこで今回は、エアコン配管の化粧カバーの必要性について、また化粧カバーのメリットや後付けの方法を解説します。
エアコンの化粧カバーは絶対に必要?
はじめに、エアコンの化粧カバー(配管カバー)とは何か、化粧カバーは必要か否か?についてご説明します。
エアコンの化粧カバーとは?
エアコンの化粧カバーとは、別名「配管カバー」というように、エアコンの配管類を覆うものです。
配管類には冷媒配管とドレン配管が含まれ、化粧カバーは室内外で別々に設置されます。
「室内化粧カバー」は室内機~壁の配管穴の配管に取り付けるもの、それに対して「室外化粧カバー」は屋外の配管穴~室外機までの配管に取り付けるものです。
化粧カバーは主にプラスチック(樹脂)で作られており、アイボリーやホワイト、グレー、ブラック、ブラウン等バリエーションに富んでいて、外壁の色に合わせて選ぶことが可能です。
もっとも多く知られているのは、因幡電工の「スリムダクト」と呼ばれる商品です。
化粧カバーには、通常のダクト用カバーの他に、配管穴用のウォールコーナーや90℃曲がったエルボ等の部材があります。
エアコンの化粧カバーの必要性について
一言で申し上げると、エアコン化粧カバーの必要性は高いです。
新品エアコンを取り付ける時や引越し先にエアコンを設置する際は、エアコン取り付け工事と同時に化粧カバーの取り付けをするのが良いでしょう。
しかし、絶対に必要というわけではなく、ないからエアコンが使用できないというわけではありません。
そもそも、化粧カバー設置は標準工事(最低限必要なエアコン工事)の範囲外ですから、エアコン取り付けにおける工事費用を抑えたいのであれば取り付けなくても問題ないといえます。
また、近いうちにエアコンを交換する、あるいは引越しする予定がある、隠蔽配管(配管が見えない状態)で設置する場合も化粧カバーを取り付ける必要性は薄いでしょう。
とはいえ、エアコン配管に化粧カバーを取り付けることはメリットも多いです。そのため、後付けを検討してみても良いでしょう。
エアコンに化粧カバーがあるとどんなメリットがある?
エアコンの化粧カバーがある場合とない場合では違いがいくつかありますが、エアコンの化粧カバーがある場合にはさまざまなメリットが挙げられます。
ここでは、室外機側に取り付ける場合と室外機側に取り付ける場合とに分けて、化粧カバーにどんなメリットがあるのかご紹介します。
室内機側の特徴とメリット
エアコンの化粧カバー(配管カバー)を室内機側に取り付ける特徴やメリットをまとめます。
外観が良くなる
化粧カバー(配管カバー)があるのとないのとでは、第一に見た目が違います。
化粧カバーは室内機の外観を美しくカスタマイズできます。部屋のデザインやインテリアと調和させ、エアコンユニットを隠すことができます。これにより、室内機が目立たず、部屋全体の美観が向上します。
また、配管カバーは配管をキレイに覆ってくれるものです。配管カバーが設置されている場合、配管がきれいに収まるため直線的に見え、外観がスッキリした印象になります。
一方、配管テープだけの状態だと、ぐるぐると巻かれたテープが目立ち、ぐにゃぐにゃとしただらしない印象になってしまうでしょう。
化粧カバーはデザインがおしゃれで色の種類が豊富なため、外壁や内装に合わせることができます。
それに対し、配管テープは色の種類がありません。多くは白色ですので、茶色や黒色の壁だと違和感が生じてしまうでしょう。
空気流の調整が可能
一部の化粧カバーには、吹き出し口の向きを調整できる機能が備わっているものもあります。これにより、空気の流れを調整し、部屋内の空調を最適化できます。
室外機側の特徴とメリット
エアコンの化粧カバー(配管カバー)を室外機側に取り付ける特徴やメリットをまとめます。
配管や室外機の劣化を防ぐ
配管の劣化を防げる点も化粧カバーのメリットです。
特に室外機側の配管は、屋外に設置されており1年中雨風や直射日光、砂埃に晒されているため、室内側の配管に比べて劣化が早い傾向にあります。
経年により配管テープが剥がれてくると、屋外の環境に影響を受けやすくなります。テープがボロボロになると、配管が露出して水漏れのトラブルが起きることも。
このようなトラブルは、エアコン取り付け工事から時間が経つにつれて起きやすいですが、配管カバーで配管が保護されていれば、リスクは大幅に減ります。
配管カバーは耐久性に優れているため、テープで巻かれただけの状態に比べて配管が雨水や暴風、紫外線などの影響を受けにくく、長期間使用することが可能です。化粧カバーが配管をしっかりと保護してくれるわけです。
また、室外機に化粧カバーを取り付けることで、エアコンユニットを外部からの環境要因や損傷から保護できます。これにより、エアコンの寿命が延び、メンテナンスが簡素化されるのもメリットです。
熱交換効率の低下を防ぐ
配管に直射日光が当たる環境では、配管テープの経年劣化により、配管断熱材(保湿材)が劣化するため、熱交換効率が低下する場合があります。これもやはり、エアコン取り付け工事から時間が経つにつれて起こりやすくなります。
しかし、化粧カバーで配管が覆われていると、直射日光による配管の劣化を防ぐことが可能となり、エアコン本体の機能を最大限に発揮できるようになります。
防音効果がある
一部の室外機の化粧カバーは防音効果を提供してくれるため、エアコンの運転中の騒音を低減できます。これにより、周囲への騒音の影響が軽減されます。
エアコンのドレンホースには水が流れているため、環境によっては水の音が響いて聞こえるかもしれません。また、壁に空けた配管穴の隙間からエアコンの稼働音が漏れる可能性もあります。そういった音を防止してくれるのも配管カバーのメリットです。なお、防音効果を高めるには、配管穴をパテ埋めした上で配管カバーを取り付けるのが良いです。
空気の流れを調整できる
化粧カバーには室外機の周りに風を誘導するデザインが備わっていることがあり、エアコンの冷却効率を向上させることができます。これにより、エアコンの性能が最適化されます。
防塵効果がある
エアコンの室外機は屋外にあるため、室内機よりも埃やゴミに晒されやすいです。環境によっては、室外機内部に落ち葉や小石が入り込んだりすることもあるでしょう。化粧カバーは室外機を埃やゴミから守り、清潔な状態を維持します。これにより、エアコンの保守や清掃が容易になり、故障のリスクが低減します。
要するに、エアコンに化粧カバーを取り付けることにより、外観美化、保護、防音、空調の最適化など、さまざまなメリットが得られるわけです。しかし、どのタイプのカバーを選ぶかは、個々のニーズや環境に応じて検討するべきです。化粧カバーの取り付けにはプロの助けを借りることをおすすめします。
化粧カバーをつけるべき人とつけなくてもいい人を比較
エアコン取り付け工事の際に化粧カバー(配管カバー)も付けていれば悩む必要はありませんが、化粧カバーがなく「後付けするかどうか?」迷っている方もいると思います。ここでは、化粧カバーをつけるべき人とつけなくてもいい人の条件を比較してみます。
どちらの条件にも当てはまる場合は、もっとも優先したい事柄を基準にするのが良いでしょう。
化粧カバーをつけるべき人
次の2つの条件のどちらかに当てはまる人は、化粧カバーの後付けをおすすめします。
エアコンの吹き出し口を調整したい人
化粧カバーには室内向けと室外向けの製品があり、室内向けの製品の中にはエアコンの吹き出し口の向きを調整できるものもあります。
配管ではなくエアコン本体に装着するタイプの化粧カバーで「エアーウィング」「風よけカバー」などと呼ばれるものです。これらは部屋の対流や風の向きを調整したい場合に便利です。
露出配管かつインテリアにこだわる人
エアコンの配管は壁の中に通す隠蔽配管と室内に露出している露出配管の2通りがあります。エアコン取り付け工事の際に隠蔽配管で施工している場合、室内に配管が出ていないため配管カバーをつける必要性は低いです。
しかし、露出配管で施工した場合、配管が室内の美観を損ねることがあります。露出配管かつインテリアにこだわりがある人は、配管カバーをつけることをおすすめします。
エアコンの保護が必要な人
エアコンは外部からのダストや汚れにさらされるため、長寿命を維持するためにしっかりとした保護が必要な場合があります。
化粧カバーはエアコンを保護し、メンテナンスを簡素化できます。配管を保護する配管カバーはもちろんですが、壁面から配管を通す時に配管穴を覆うタイプの部材(ウォールコーナー)や室外機本体に取り付ける化粧カバーもあります。日除けや防雪効果のある製品もあるため、環境によって使い分けることが可能です。
エアコン本体や配管を長持ちさせたい人は、化粧カバーを後付けした方がメリットは大きいでしょう。
化粧カバーをつけなくても良い人
次の2つの条件のどちらかに当てはまる人は、化粧カバーをつける必要は特にないといえます。
エアコンの効率性を犠牲にしたくない人
これは室外機本体に取り付ける化粧カバーに言えることなのですが、化粧カバーをつけることで、エアコンの冷却効率が低下する可能性があります。直射日光を避ける効果はあれども、室外機を覆ってしまうことで熱が放出しにくくなるからです。
エアコンのパフォーマンスを最大限に活用したい場合は、室外機本体に化粧カバーをつけないことを検討します。あるいは、直射日光が厳しい夏期のみ取り付けるなどの方法を検討しましょう。
エアコンの設置場所が十分に隠れている人
エアコンの設置場所が視線から隠れており、外観に気に入らない要素がない場合、室外機に取り付ける化粧カバーや配管カバーは必要ないかもしれません。
また、エアコン取り付け工事の際に、配管を隠蔽配管で設置した場合、外から配管が見えないため配管カバーの必要がないといえます。ただし、室外機側の配管が建物外に露出しているケースも多く、その場合は室外機側の配管には配管カバーを取り付けた方がよいでしょう。
エアコン配管に化粧カバーを取り付ける方法
ここでは、エアコンの化粧カバーを後付けする方法と手順をご紹介します。
1.必要な道具を用意する
化粧カバー取り付けに必要な道具は以下の通りです。
- 配管化粧カバー(スリムダクト)
- ウォールコーナーやエルボなどの部材
- 化粧カバーを繋げるためのジョイント
- 末端カバー
- 配管穴用パテ
- ドライバーもしくは電動ドリル
- ハンドソーもしくはノコギリ
これらを全て揃えた場合、1万円~1万5千円程度の費用がかかります。
2.室内の配管に化粧カバーを取り付ける
室内機から壁の配管穴までの距離を計測して、のこぎりやハンドソーを使って化粧カバーを切断します。
①壁側②表側の順に2枚の化粧カバー(スリムダクト)を固定し、配管を覆うようにネジで取り付けていきます。
次に、壁の配管穴パテを除去し、キャップを取り外し、新しい配管穴パテを取り付けます。壁の配管パテに被せるようにウォールコーナーを取り付ければ完了です。
3.屋外の配管に化粧カバーを取り付ける
壁から出た配管をウォールコーナーで覆い、外壁にピタリとくっつけるようにビスで固定します。そして、壁を伝う配管には化粧カバー(スリムダクト)を取り付けます。化粧カバーの最後に末端カバーを取り付けます。
エアコンが上層階に設置されていて配管が長い時は、必要に応じてジョイントを用い、化粧カバーを接続しなければなりません。
ジョイントを使う場合は、先にジョイントの壁面の部材を壁に固定し、その上に化粧カバーをはめ込み、ジョイントの表面の部材を被せます。隙間がある場合はコーキングを行うこともあります。
エアコンの配管化粧カバー取り付けは街の修理屋さんにお任せください
今回は、エアコンに化粧カバー(配管カバー)を後付けする取り付け方法や化粧カバーの必要性・役割について解説しました。
化粧カバーの取り付けは、エアコン工事の中では難易度が低いため、ご自分で施工することは不可能ではありません。とはいえ、慣れた人でないと時間も手間もかかります。
配管を配管カバーに収めようとしてドレンホースがつぶれ、水漏れしてしまうケースはよくあります。また、配管に傷をつけたり繋ぎ目がズレたりしてガス漏れの原因になることもあります。
DIYにはリスクがあることも頭に入れ、エアコン本体や配管に化粧カバーを後付けしたい時は、業者に依頼することも検討しましょう。
街の修理屋さんでは、化粧カバーの後付けやエアコン修理、取り外し、交換などに対応いたしますので、お気軽にお問い合わせください。
※ページ内に掲載されている料金は作成日当時のものです。状況や時期により実際の料金とは異なる場合がありますので、詳細は電話でお問い合わせください。