【音別の対処法】ブレーカーから異音が聞こえる原因を解説!
「ブレーカーのあたりから変な音がする」と思ったことはありませんか?
「ジジジ…」や「ジージー…」といった感じの音です。通常ブレーカーから音はしません。
ブレーカーから異音がした場合はいくつかの原因が考えられます。異音がするのはブレーカーにとって良い状態ではないため、対処する必要があります。ブレーカーの異音によっては、あまり良い状態と言えない場合もあります。
今回はブレーカーから聞こえる異音の原因とその対処方法を解説します。
電気ブレーカーの種類
電気ブレーカーはアンペアブレーカー、漏電ブレーカー、安全ブレーカーの3種類があります。それぞれの特徴を紹介します。
アンペアブレーカー
アンペアブレーカーは、契約済みのアンペア数より多く電気を使った際に、自動的に電気供給を遮断する役目があるブレーカーです。
電気を通常通り使っていれば落ちることなく電気を使用できます。
漏電ブレーカー
漏電ブレーカーの役割は漏電を作動して知らせることです。万が一の漏電による火災などの事故から守ってくれます。
仮に漏電が起こった場合は、漏電ブレーカーの作動により、家中の電気が使用できなくなります。このようになるのは、漏電ブレーカーが電流の流れを確認してバランスを取っているからです。電流の流れがアンバランスになると、漏電と判断されます。
漏電は電気が通るべき道を通らずに漏れている状態なので、感電の危険があります。そのため、漏電ブレーカーが作動して電気が使えない状態にします。
どこの部屋で漏電しているか調べたい場合は、アンペアブレーカーを除いたブレーカーをオフにします。そうすると、漏電ブレーカーがオンになります。次にオフにしたブレーカーをそれぞれオンにしてください。その時に漏電ブレーカーがオフになった部屋が漏電元と考えられます。
安全ブレーカー
安全ブレーカーの役目は、契約中のアンペア数を各部屋に分配することです。契約アンペア値とは異なり、各部屋ごとでアンペア数の上限が決められています。それを超えてしまうとブレーカーが落ちる事になっています。
こうした役割を担う安全ブレーカーは別名「配線用遮断器」とも呼ばれています。
ブレーカーから異音が鳴り始めた!
電化製品を使ったらブレーカーが鳴り始めた!
家の中で生活していて、急にブレーカーから異音がすることがあります。なにか電化製品を使い始めた時に、ブレーカーも鳴り始めることが多いです。電化製品の中には電流の波形を高周波などで乱す機器があり、ブレーカー内部の金属を振動させるため、音が鳴ることがあります。
- 電気温水器
- 電子レンジ
- エアコン
などです。
この場合はブレーカーの異音を消すことはできませんが、そのまま使っていても問題ありません。
続いて、ブレーカーから異音がする主な原因について、それぞれの音別に解説していきます。
ブレーカーの異音の原因と対処法
ジージー・ジジジジ・ジリジリと異音が鳴る原因
アンペアブレーカーから鳴る場合
アンペアブレーカーからジージーと異音が鳴るときは、契約アンペア数の限界に来ている可能性があります。契約アンペア数が限界とは、電力を使いすぎてしまっているということになります。契約アンペア数は電力会社での対応になります。
漏電ブレーカーから鳴る場合
漏電ブレーカーからも異音があるのかと言われると、漏電ブレーカーはもともと電化製品の漏電が起きると落ちる仕組みになっています。漏電ブレーカーは、漏電を検知した場合に異音を発する場合があります。
安全ブレーカーから鳴る場合
安全ブレーカーからジージーと異音が鳴るときは、対象の部屋の電力の使いすぎによって、鳴っている可能性があります。対象の部屋で使用している電化製品を他の部屋などに分散させたり、使い過ぎないように使用電力を抑えるなどの工夫が必要です。
ジージーと鳴ったら電力の使い過ぎによる可能性
アンペアブレーカーや安全ブレーカーから異音が『ジージー・ジジジジ・ジリジリ』と鳴っているときは、主な原因として考えられるのは、電力の使い過ぎです。電力の使い過ぎと言われると異音とはめったに関わりが無さそうに考えられますが、実際はブレーカーの内部の仕組みによるものなのです。
熱動式のブレーカーのスイッチ部分には『バイメタル』という金属の板が組み込まれていて、このバイメタルの性質によるものです。バイメタルは、ブレーカーのスイッチを入れて電気が流れ続けると電気の加熱によって変形する性質がある部品です。このときにバイメタルが『ジージー・ジジジジ・ジリジリ』などの音を発生させるので、ブレーカーから異音がしたように聞こえるんです。
その仕組みによるものではありますが、熱量で変形することでブレーカーのスイッチがオフに変わります。そのあとに熱が冷めるとバイメタルが元の形状に戻るためブレーカーのスイッチはオンにできるようになります。これによって、バイメタルによって電力を使いすぎないように電力の制限がされていることになります。このバイメタルによって、電力を制限しているというということは、自分が使っている電力と現在の契約アンペア数が見合っていないということになります。
ジージー・ジジジジ・ジリジリと異音が鳴るときの対処法
アンペアブレーカーの場合
再びブレーカーを上げても異音が鳴りやまないのであれば、アンペアブレーカーの契約アンペアの容量を増やすことで改善する可能性があります。電力会社に相談の元、アンペアの容量を上げてもらいましょう。アンペアの容量を変えるのは、ブレーカー自体の交換工事が必要になります。 契約アンペアを大きくすれば、電気を多く使っても余裕ができるのでブレーカーの音はしないはずです。
契約アンペアを増やすのにアンペアブレーカーを交換したいのであれば、各地域での電力会社へ一度相談する必要があります。電気の専門業者は電力会社から依頼を受けてから、アンペアブレーカーを交換することになるため、まずは電力会社に相談しましょう。分電盤内部の配線不良や契約アンペアに対して分岐回路が多過ぎる場合も異音がする可能性があります。
漏電ブレーカーの場合
漏電ブレーカーの場合は、どこかで漏電が発生している可能性があります。一度漏電しているかの確認を専門業者にお願いしましょう。
安全ブレーカーの場合
『ジージー・ジジジジ・ジリジリ』など電力の使い過ぎのため、使用している消費電力が高い家電製品を抜くことで異音が直る可能性があります。念のためブレーカーを落として使用している電力をオフにすることで異音が鳴りやむこともあります。また安全ブレーカーの不具合の可能性がありますので交換することで異音が直る可能性があります。
契約アンペア数の変更は電力会社にお願いしましょう
契約アンペアを変えたい方は、一度地域の電力会社に相談をしましょう。電力会社が行う交換工事であれば基本無料ですが、アンペア変更に伴うための設備の工事が必要な場合は、別途料金が発生します。
電力会社から委託された電気の専門業者が実施する工事になります。契約しているアンペアを上げたいのであれば漏電ブレーカーの確認も必要になります。
アンペアを30Aから40Aにしても、漏電ブレーカーが30Aであると、結局30Aしか使えないので注意しましょう。使えるアンペア数は漏電ブレーカーのアンペア数で決まるとも言えます。
60Aを超える契約をするのであれば、契約内容の変更と、アンペアブレーカーから主開閉器への交換が必要です。何十年物のブレーカーを使っていて、電気設備が古い場合は、引込線の張替えや電力メーターなどの交換や分電盤の交換などが必要になるため大がかりな工事が必要になる場合があります。
一度相談の元、お見積りを出してもらう方が良いでしょう。
・北海道電力 ・東北電力 ・東京電力 ・北陸電力 ・中部電力
ネジの緩みによる場合もある
安全ブレーカーを取り付けているネジの部分が緩んでいる可能性があります。そのネジの緩みから来る異音は稀なので、めったに起こることがありません。多くが電気の使い過ぎによるものか、経年劣化による異音になります。
ブレーカーが異音が鳴っていて鳴りやまないようなら一度『街の修理屋さん』にお気軽にご相談下さい。ブレーカーの点検をしてもらうことで、確実な原因を確認してもらいましょう。
カチカチと異音が鳴る原因
どのブレーカーがカチカチと鳴っても経年劣化の可能性がある
- アンペアブレーカー
- 安全ブレーカー
- 漏電ブレーカー
カチカチと音が鳴ったら、どのブレーカーでも経年劣化の可能性が高いものになります。ブレーカーそれぞれを交換する必要があります。
ただし、アンペアブレーカーは電力会社でないと交換ができないので電力会社に一度ご相談下さい。劣化があまりにも酷いときは丸ごと交換になる可能性もありますが、漏電ブレーカーがカチカチ音がなっていたり、安全ブレーカーがカチカチ音が鳴っている場合は電気の専門業者での交換ができます。
経年劣化しているブレーカーは漏電の可能性も
ブレーカーがカチカチと鳴っているときは、注意が必要です。ブレーカーからカチカチ音が鳴ったら、漏電ブレーカーや安全ブレーカーからの異音の可能性があります。弊社の事例からでも漏電ブレーカーからの可能性が比較的高い傾向にあります。
ブレーカーの内部にあるスプリング部分の劣化などによってカチカチ音が鳴ることがあります。故障に繋がる原因としては、経年劣化によるものが多くあります。
スイッチがオンとオフを複数回繰り返されること、この現象をチャタリングと呼びます。 カチカチと鳴っている場合は、電気が金属間でスパークしている可能性があります。スパークとは放電などで火花が出ることを言います。バチバチした火花がこの金属間でスパークすることにより、カチカチとした異音が鳴ります。
ブレーカーを設置してから10年以上経過している場合などの場合は、ブレーカーの寿命が来ている場合が多いです。
カチカチと異音が鳴るときの対処法
ブレーカーの故障を疑う
ブレーカーの寿命は10年と言われていますが、それ以上使い続けているご家庭も多いのではありませんか?
ブレーカーがカチカチと異音が鳴ったら、経年劣化によるブレーカー故障の可能性が高いのでブレーカーのカチカチ音が鳴っているのを聞いたら、漏電していることもあるので一度専門業者に点検してもらうと良いでしょう。経年劣化からの異音の場合は、10年以上ブレーカーを使っている場合が多く、弊社ではブレーカーの交換を勧めています。
異音が鳴っている場所としては、漏電ブレーカーからの異音が多いので、漏電ブレーカーの交換が必要です。漏電ブレーカーと安全ブレーカーの交換は電気の専門業者で対応できます。
異音が鳴りやまないのにそのまま使い続けていると、余計にブレーカーの負担が重なり、最終的には漏電火災などの二次被害に繋がる恐れがあります。
ピッ・ピピピピ・ブーなどブレーカーによって他の異音が出ることも
ブレーカーの種類によっては、感震ブレーカーの誤作動や電池不良・電池寿命など、また機種ごとに漏電を知らせる漏電アラーム遮断器などもあります。ピピピピなどのアラームのような機械音の場合はこの感震ブレーカーの誤作動の可能性があります。漏電アラーム遮断器の場合は、家のどこかで漏電している可能性があり、そのためによって警告音でアラームが鳴っていることがあります。ですが、全く聞いたことのない異音の場合は、ブレーカー自体の故障を疑いましょう。
『街の修理屋さん』では資格を持った作業員がブレーカーの点検や修理、交換などを対応しております。少しでもブレーカーから変な音が聞こえたり、聞いたことのない異音が鳴り続けていて不安……など、気にかかったことがありましたら、一度お気軽にご相談下さい。
ブレーカーが故障しているかも?
ブレーカーが故障していたらどう対処する?
ブレーカーが故障したときに起こりやすい症状
- ブレーカーが良く落ちる
- ブレーカーから焦げ臭い異臭がする
- 変な異音がする
- ブレーカーが熱を持っている
- 劣化が激しい
異音の他にも故障の際に起こりやすい症状がさまざまあります。ブレーカーの異音である『カチカチ』と音が聞こえたりおかしな症状が出始めたら、故障を疑ってください。自分で直そうとしても漏電していた場合は感電することもあります。漏電などの故障での電気工事は資格を持った業者にお願いしないと、修理や交換が難しいです。
【ブレーカーの設置条件の注意点】
- 障害物がある
- 風通しが悪い
- 粉じんなどが入りやすい
などは避けてできるだけ高い位置に設置します。この設置環境が悪いとブレーカーの劣化も早まります。
ブレーカーは比較的涼しい場所での設置が良いとされています。ブレーカー自体にほこりやゴミが溜まっていたら乾いた布で拭くなどをして対応しましょう。ブレーカーは結露などに弱いので、水気のある状態になっている場合は設置場所を変えた方が良いかもしれません。
水に濡れたままのブレーカーは漏電している場合、感電する恐れがありますので触らないようにしましょう。もしもブレーカーに不安な状態があるようなら、早めの対処が肝心です。
早めに電気の専門業者か電力会社にお願いして点検してもらいましょう。業者が修理に来るのであれば、事前に家の電気系統を全て切っておくのが一番安全な手段です。ブレーカーの故障が起こったら、何事も早めに対応するほうが良いでしょう。
ブレーカーの修理が必要なタイミング
ブレーカーの修理が必要なタイミングは、上記で説明したとおりです。上記のような状態になっていたら、自分でいじるのは危険です。早めに業者に修理を依頼しましょう。
人によっては、費用がかかるので、自分で何とかしたいと考えるかもしれません。しかし、命の危険も考えられるので、無理をしないようにしてください。資格を持った業者に任せましょう。
ブレーカーの修理の費用はいくら?
ブレーカーの修理費用は業者やどのブレーカーを修理するかによっても異なります。そのため、いくつかの業者から見積を取ることをおすすめします。
ここでは、一般的な相場を紹介します。
・点検費用:7,000円くらい~
・アンペアブレーカーの修理費用:5,000円くらい
・漏電ブレーカーの修理費用:11,000円くらい
・安全ブレーカーの修理費用:5,000円くらい
また、天井や床下などの特殊な場所での作業の場合は、上記よりも値段がかさむ可能性があります。詳しくは業者にご相談ください。
松下電工 漏電ブレーカー(BJ340325K2)修理対応
老朽化した漏電ブレーカーを「BJ340325K2」に交換した例を紹介します。あるお客様は、15年以上使っていた漏電ブレーカーを「BJ340325K2」に交換しました。
漏電ブレーカー「BJ340325K2」は松下電工株式会社(現在はPanasonic)の商品です。型は主幹用漏電ブレーカーAB型です。
寸法は縦149mm×横74mm×ツマミを除いた高さ49mmです。
異音がするなら直してもらおう
ブレーカーの異音は早めの対応が吉!
ブレーカーから変な音が聞こえた場合は、まず使っている電化製品が多過ぎないか確認します。「もっと多くの電気を使いたい!」と思ったら、契約アンペアの変更を検討します。
使っている電気の量を減らしても音が止まない場合は、故障が疑われるので専門業者に点検をしてもらいましょう。ブレーカーなどの電気設備の工事を行うのは『電気工事士』という資格が必要です。
無資格で電気工事をすると罰せられることもあり、何より素人が行うと危険です。電気の専門業者にお願いして修理や交換をしてもらいましょう。
弊社『街の修理屋さん』ではご自宅のブレーカーの製造年月日を調べて劣化が起きていないか、またブレーカー自体に負荷がどれだけかかっているのかを調べる機械(クランプメーター)を使い分析を行います。漏電の調査でどの回路でどの負荷を使うと異音が起こるのかを調べ、原因を解消致します。
『街の修理屋さん』では電気工事士の資格がある作業員が、迅速に対応しますので、ブレーカーが故障しているから交換してほしい、異音が鳴りやまないのでどうにか止めてほしいなど、なにかブレーカーのトラブルで気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
※ページ内に掲載されている料金は作成日当時のものです。状況や時期により実際の料金とは異なる場合がありますので、詳細は電話でお問い合わせください。