ハクビシン駆除をバルサンで?駆除剤を使わない駆除方法から業者依頼まで徹底解説
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大型害獣と呼ばれる動物の中でも、夜中の屋根裏での騒音や糞尿による悪臭など多くの被害をもたらすのがハクビシンです。
自宅に田畑がある場合、農作物に被害が及ぶ可能性もあります。家にハクビシンが棲みついてしまったときは、何らかの対策を行う必要があるでしょう。
そこで今回は、以下の内容について解説していきます。
- ハクビシン駆除の方法と注意点
- ハクビシンの生態と特徴
- ハクビシンによる被害
- 駆除剤を使わないハクビシンの駆除方法
- ハクビシンの駆除を業者に依頼することのメリット
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ハクビシンとは
ハクビシンはジャコウネコ科、夜行性の害獣です。
見た目は可愛らしく、身体全体の毛色が黒く、白い模様が入っています。猫のような三角の耳の内側はピンク色をしており、尻尾が長く、ピンク色のハート型をした鼻が特徴的です。
体重は3~8キロで体長(胴体)は50~100㎝程度です。ベンガルキャットやノルウェージャンフォレストキャットなど、大きい家猫あるいは小型~中型犬くらいの大きさです。
指は5本あり、木登りやジャンプを得意とします。
ハクビシンの生態
暗いところを好み、民家に住み着いた時は屋根裏や天井裏など高い位置の暗い場所を隠れ家(巣)にします。穴掘りは苦手なので床下に潜り込むことは稀です。
暖かい環境を好むため、寒い季節は行動せず巣の中にいます。
家の断熱材を噛み千切って巣材にしたり、住み着いた巣に糞尿を溜め込む習性があります。
また、生後10ヶ月~繁殖可能。繁殖力が強く年1回2~3頭産み、さらに妊娠期間2ヶ月なのですぐに増えてしまうのです。
駆除するのであれば、繁殖前や冬になる前が適しています。
参考文献:農林水産省 野生鳥獣被害防止マニュアル-ハクビシン-
ハクビシンの特性
夜行性なので昼間は隠れており、夜中から朝方にかけて餌を探してあちこち移動し、果物や植物を主食にします。
畑の作物や家庭菜園などが被害に遭いやすいです。
雑食のため、野菜や果物などの植物以外の生ごみやペットの熱帯魚や金魚、鯉を食べることもあります。
また、運動神経に優れており、高いジャンプ力を持つため垂直移動が可能です。
屋根や壁に少しの隙間や穴があれば、そこから屋根裏あるいは天井裏に入り込んで巣を作ってしまいます。
ハクビシンの被害
ハクビシンが屋根裏などに棲み付くと、家族の健康被害や住宅の寿命にまで影響を与える恐れがあります。
皆さんが思っている以上に深刻な被害を受ける可能性があるため、楽観視できないといえます。ここでは、ハクビシンによる被害にどんなものがあるか挙げていきましょう。
騒音
夜行性の特性であることから、エサを探して天井を歩き回ります。
そのため、「足音がうるさくて夜眠れない」などの騒音被害に繋がります。
不眠トラブルが悪化すると、ノイローゼになってしまうこともあるでしょう。
糞(フン)や尿による被害
排泄物には雑菌やウイルス、寄生虫などがいるものです。糞尿の臭いが不快なだけでなく、衛生面でも悪い影響を受ける可能性があります。
屋根裏に放置された糞尿はカビの温床にもなります。さらに、ハクビシンは糞尿を溜め込む習性があるため、天井裏から壁まで染み出てしまうこともあります。
家への被害
糞尿により天井の木材が腐食する、断熱材を噛み千切って巣材にする…など家の資産価値が下がることもハクビシンによる重大な被害の一つです。
壁まで糞尿がしみ込んだ場合や天井の腐食が著しくなると、家の骨格にまで影響が及ぶ可能性もあります。酷い場合ですと、天井が抜け落ちてしまうこともあります。
そうなると、自分で掃除するだけでは解決することが難しいので住宅リフォームが必要になります。
ノミダニの発生
ハクビシンはもともと野生のため、山からノミやダニを連れてきます。
ハクビシンの毛についたノミやダニが家の中に持ち込まれると、屋根裏や天井裏で繁殖してしまい、人間の健康被害に直結します。
アレルゲンになるほか、喘息やアトピー性皮膚炎の原因にもなり、刺されると赤く腫れて痒みを伴う症状が現れます。
ペットがいる場合、ペットにノミやダニがつく危険性もあるため要注意です。
人獣共通感染症(ズーノーシス)
2002年に発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)は、ハクビシンが持ち込み人へと感染したとされています。
ハクビシンは菌に対する免疫力が非常に高く、人間の害になる菌を保有していても元気に動き回る動物です。
それゆえ、人畜共通感染症やズーノーシスと呼ばれる『人獣共通感染症』が起こりやすいのです。
人獣共通感染症とは、脊椎動物と人間の間で通常の状態で伝播しうる疾病のことをいいます。
SARSの他にはトキソプラズマ、レプトスピラ症、サルモネラ症、E型肝炎などもハクビシンが持つ菌として知られます。
ペットへの被害
ハクビシンは見た目がアライグマのようで可愛らしいですが、とても凶暴な性格をしています。
そのため、自宅で飼育しているペットの猫などがハクビシンに襲われることがあります。
ハクビシンに噛みつかれると何針も縫うほどの重症を負うどころか、金魚などの熱帯魚やハムスターなど小動物の場合は食べられてしまう危険があるのです。
他にも、ノミやダニ、寄生虫、ウイルス性感染症、その他の病気がペットにうつる可能性があるため放置しておくことはおすすめできません。
ハクビシン駆除の注意点
ハクビシンは身体能力が高く凶暴なため、捕獲するのは容易ではありません。
しかも、ハクビシンは鳥獣保護法で守られた野生動物。うかつに手が出せないのも困りものです。
自分で駆除する前にいくつか気を付けたいポイントをご紹介します。
鳥獣保護法
鳥獣保護法とは、鳥獣の保護管理により生物多様性や生活保全などを目的とされた法律です。
ハクビシンはこの法律の対象獣となります。
たとえ家に住み着いて農作物を荒らされたりペットを傷つけられても、勝手に捕まえたり殺したりすることはできません。
万が一、自分で捕獲したり殺傷したりした場合には法律違反となり、50万円以下の罰金(または1年以下の懲役)が科せられます。
屋根裏や天井に巣
ハクビシンの巣は、屋根裏や天井などの高いところ、かつ狭くて暗いところに作られる傾向にあります。
言い換えれば、足場が悪く狭い場所ということです。自分で駆除しようにも、素人ではうまくいかない可能性が高く、高所になるとケガの恐れがあるためリスクが高いでしょう。
ハクビシンの駆除方法
鳥獣保護法で守られているとはいえ、駆除の方法はあります。
自分で駆除する場合は「追い出す」方法が基本です。
顔はかわいく、ふわふわの毛で覆われているぬいぐるみのような見た目。
しかし、獰猛な野生動物だと忘れないようにしましょう。
咬まれたり引っかかれたりする危険があるので、素手ではさわらないよう注意してください。
詳しい駆除方法は以下でご説明していきます。
バルサンなど燻煙剤で追い出す
屋根裏や天井裏に巣がある場合、部屋全体に燻煙剤を炊くことで、息苦しくなったハクビシンが外へ逃げていきます。
この方法は、夜行性のハクビシンが確実に起きている夕方~夜間に行うと確実性が高いでしょう。
使用する燻煙剤は、害獣専用のものでも害虫駆除用でも効果があるため、どちらでも構いません。
メリット
- 煙が出始めてすぐ効く
- 速効性がある
- ドラッグストアなどで手軽に購入できる
- 安い。
- 効果範囲が広い
例えばダニ用の燻煙剤なら、糞や抜け毛等に湧いたりハクビシンについてきたりするダニ・ノミの駆除も同時に行えるといった多くのメリットがあります。
デメリット
- 精密機器や火災報知器にカバーをかけたり移動させたりする
- 上記の事前準備が必要
- ペットがいると使えないこともある
- 殺虫剤特有の臭いがある
- 終了後に換気が必要
- 天井の隙間から煙が漏れて効果が薄れることもある
- 害虫の死骸が散乱する
- 終わった後に片付けをしなければならない
- 巣にハクビシンの子供がいた場合死ぬこともある
巣にハクビシンの子供がいると、こどもは逃げられないため親子が燻煙剤で死ぬこともあります。また、逃げ遅れた子供が死ぬこともあります。ハクビシンを誤って殺すと法律で罰せられます。燻煙剤を使用する際は、必ず事前に巣を確認しましょう。
忌避剤や駆除剤
ハクビシンの天敵であるオオカミなどの臭いや、ハクビシンが嫌がる強いニオイを発するもので侵入経路を断つ、巣から追い払うことが可能です。
忌避剤や駆除剤には、蚊取り線香のような形で火をつけて使うものや、だしパックのような形で置いて使うもの、ゲル素材のもの、スプレータイプなど様々です。
ハクビシンが嫌がるニオイには以下のようなものがあります。
①天敵(オオカミなど)のニオイ
②ニンニク・唐辛子などの刺激物のニオイ
③木酢液
④石油
⑤ハッカ油
市販の忌避剤は、これらを単体もしくは組み合わせて製造されています。
特に、天敵(オオカミ)のニオイは慣れることがないので、効果が高く持続する傾向にあります。
忌避剤を巣の近くに撒く(設置型なら置いて)おくと、ハクビシンが逃げていくでしょう。
ただし、脱出口を塞いでしまうと外に逃げられないため、天井裏から床下など家の構造を踏まえ、脱出口から遠い場所から順に撒いていくことがポイントです。
メリット
良い忌避剤は効果が確実。ドラッグストアや通販などで手軽に手に入る。
デメリット
- ものにより効果に差がある
- 種類によってはほぼ効果の無い商品もある
- 時間が経つと効果がなくなる
- 人間にとっても臭い
- ペットがいる家庭では使えない
- 犬猫は嗅覚が鋭いので体調を崩す可能性がある
騒音
ハクビシンは嗅覚だけでなく、聴覚も鋭いので騒音が苦手です。
爆竹などのつんざくような大きな音は駆除効果が高いでしょう。
メリット
通販で手軽に手に入る。すでにいるハクビシンに効果あり。
デメリット
大きな音は人間にとっても騒音なので近所迷惑になる可能性があります。
そのため、常に鳴らし続けることはできず、一時的な対処にしかなりません。
結果、一度逃げたハクビシンは音が止んだ後に、再び戻る可能性があります。
ハクビシンの捕獲駆除には資格と許可が必要
住み着いているハクビシンを捕獲して駆除する方法もあります。
先に申し上げたように、鳥獣保護法で保護された動物の捕獲には許可が必要なので、捕獲するのであれば、都道府県や市区町村の保健所、市役所、農業振興センターなどの担当部署に「有害鳥獣駆除」の申請をする必要があります。
おおよそ、書類提出後2~4週間で許可が下ります。
手取り捕獲
手で直接捕まえる、あるいは虫取り網のような柄のついた網を使うことで捕獲する方法です。1匹のハクビシンを捕獲するのに5人必要といわれています。
射殺駆除
空気銃か装薬銃を用いて射殺する方法です。これら銃の使用には狩猟免許が必要となります。
第一種狩猟免許なら両方の銃が、第二種狩猟免許なら空気銃のみ使用可となっています。
装薬銃には散弾銃とライフル銃がありますが、ハクビシンの場合は散弾銃を使用するのが一般的です。
はこわななどのワナ捕獲
オリ・かご・トラ挟みなどのワナを使って捕まえる方法です。
ハクビシンが通る場所にエサを置いたワナを設置して、捕まるのを待つことになります。
使用するエサはバナナやリンゴ、梨など甘い果物が適しているでしょう。
バナナなど柔らかいものはネットに入れて吊るしたり、トリガーに結びつけたりして落下を防ぎます。
ホウ酸は哺乳類にはほとんど効果がありませんが、そもそもハクビシンを殺してしまうと罪に問われるため、毒エサを置くのはNGです。
捕まえたハクビシンは自分で処理するか、役所に相談したのちゴミ処理場にて焼却処分してもらうしかありません。
わな猟免許が必要な地域と不要な地域があるため、「有害鳥獣駆除の申請」の際に確認することを忘れないでください。
地域によって対処が異なるので事前に相談しておきましょう。勝手な判断での処分はトラブルの元なので注意してください。
捕獲駆除の注意点
ハクビシンの行動パターンが読めないと、実際にはなかなか捕まえられないことでしょう。
また、捕まえた後は掃除と消毒・消臭が必要です。
巣を確実に見付けておき、消毒までもらさず徹底しないと、感染症などの二次被害に繋がることがあります。
ハクビシン対策
ハクビシンは鳥獣保護法で保護されているので、スムーズに駆除するためにも、住み着いて巣を作る前に対策をとる必要があります。
すでにいるハクビシンは、追い出す以外の方法がとれないため非常に厄介です。
ハクビシンを寄せ付けない
重要なのは早めに行動を起こすことです。
ハクビシンを見かけた時点で、忌避剤等を用いて二度と来ないように対策をとりましょう。
生ごみや収穫してない食べごろの作物はハクビシンの餌となるため、以下の点を徹底してください。
- ゴミを外に置かない
- 農作物は適宜収穫する
- 雑草等を放置しない
- 食べ物を置きっぱなしにしない
ハクビシンを家に入れない
ハクビシンは身体能力が高い動物です。
2階の窓の周辺にある樹木の枝が伸びていると、そこから家に侵入したり隙間から入ってくる可能性があります。
壁や天井の穴、隙間はすべてふさぎ、窓は鍵をかけるようにしてください。
樹木の枝は剪定して、家の壁まで伸びないようにしておくことが大切です。
掃除する
ハクビシンの糞尿や食べかすはすべて掃除して消毒する
ハクビシンの駆除は業者へ依頼
ここまでの説明通り、ハクビシンの駆除は資格や許可申請が必要になります。
死骸が残れば処分の方法さえも行政指示に従う必要があり、ハクビシンがいなくなったあとも掃除・消毒・天井床の防腐処理などをしなければなりません。
それらをすべて行うのが億劫であれば、専門業者に依頼するのが望ましいです。
業者にお願いをすれば、追い出しや駆除から掃除・消毒・除菌・防腐処理すべての作業を一貫して行ってもらえるので一切手間がかかりません。
「どうやら家の屋根裏にハクビシンがいるようだ」「なんとかして追い出したい」と考えたとき、まずはプロに相談してみてはいかがでしょうか?
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