蛍光灯がつかない原因と対処法を解説する【故障 or 寿命】
「自宅の蛍光灯が突然つかなくなった。寿命なのか、他に原因があるのかな…」という悩みのある方は、多いと思います。昨日までついていた蛍光灯が点かないと、不便ですよね。まだ使用できるなら、何らかの方法で使用したいところです。
そこで今回は、以下の内容について解説します。
- 蛍光灯の種類(点灯方式)
- 蛍光灯が点かない理由
- 蛍光灯が点かない際の対処法
- 賃貸住宅での対処法
- 照明器具をLEDにするメリット
蛍光灯が点かないとお悩みの方や、照明器具をLEDに交換することを検討されている方はぜひ参考にしてください。
街の修理屋さんでは、全国の工事実績が15万件以上あります。国税庁や日本郵便など、有名企業からも依頼を受けた実績があります。記事の信頼性は確保されているので、ぜひ参考にして、照明トラブルの解決に役立ててくださいね。
蛍光灯の種類(点灯方式)は3種類
蛍光灯をどのような仕組みで点灯させるか、その点灯方式の種類は主に3つあります。まずは、ご自宅の蛍光灯がどの点灯方式に該当するのかチェックしてみましょう。
グロースタート形 (Glow-Start)
グロースタート形は、古典的な蛍光灯の点灯方式の一つです。蛍光灯のW数に対応するグロー管を使用します。安定器(バラスト)が蛍光灯の両端にあるカソード(フィラメント)を加熱し、カソードが発光するまで時間をかけて点灯します。
グロースタート形は、安価で信頼性が高い点が利点です。また、点灯のたびにフィラメントが加熱されるため、蛍光灯の寿命を延ばすのに適しています。
ただし、点灯までに時間がかかり、安定器の効率が低いため、エネルギー効率は他の方式に比べてやや低いです。また、点滅やフリッカーが目に見えることがあるため、特定の用途には適していません。
蛍光灯の見分け方は、パッケージやガラス管のアルファベットを確認するのが一般的。グロー管の場合は「FL」と記載されています。
ラピッドスタート形 (Rapid Start)
ラピッドスタート形は、安定器がカソードを加熱せずに蛍光灯を点灯させる方式です。インバーター形と比較すると、点灯までの時間はやや長いですが、グロースタート形よりも速いです。
ラピッドスタート形は、寿命を長く保ちながら、点灯が比較的速いため、多くの商業施設や学校などで使用されます。フリッカーも少なく、快適な照明を提供します。
ただし、ラピッドスタート形も点灯までにわずかな時間がかかるため、即座に明るい光を必要とするアプリケーションにはスリムラインやインバーター形がより適していることがあります。
パッケージやガラス管には「FLR」と記載されています。
インバーター形 (Inverter-Type)
インバーター形は、従来の安定器(バラスト)を使用せず、電子インバーターと呼ばれるデバイスを使用して蛍光灯を点灯させる方式です。
インバーター形蛍光灯は、点灯から消灯までの制御が非常に精密で、明るさや色温度を調整しやすく、高いエネルギー効率で動作します。そのため、省エネルギーで快適な照明を提供します。点灯から消灯までの時間が速いため、商業施設、オフィス、学校、住宅などで使用されており、多くのアプリケーションに適しています。
パッケージやガラス管には「FHF」と記載されています。
スリムライン形(Slim-line)
スリムライン形は、高電圧を使用することでフィラメントを加熱し、放電させて点灯する方式です。他の方式の蛍光灯の口金が2ピンなのに対して、スリムライン形蛍光灯は1ピンのみとなります。管径も細く短いため、主にショーケース用蛍光灯として用いられています。
パッケージやガラス管には「FSL」と記載されています。
蛍光灯がつかない理由
蛍光灯が点かない原因について考えてみましょう。
蛍光灯の寿命
蛍光灯が点かない理由としては、まずは蛍光灯の寿命が挙げられます。蛍光灯を取り付けてから何年経っているか、考えてみましょう。
蛍光灯の寿命は種類にもよりますが、2年から4年ほどとされています。照明のオンオフを頻繁に行うと、蛍光灯の消耗が早くなり、通常よりも寿命が短くなることもあります。
蛍光灯の寿命が近づいているか、確認する方法は簡単です。蛍光灯の菅の端に黒ずみがあれば、寿命が近いということがわかります。
寿命が原因の場合は、新品の蛍光灯に交換することで解決します。新しく蛍光灯を取り付ける際には、交換時期がわかるように、日付をメモしておくとよいでしょう。
安定器の故障
安定器の故障が原因である可能性もあります。安定器とは、蛍光灯の放電を安定させ、その状態を維持する装置です。安定器の寿命は大体8~10年程度です。
安定器が寿命などによって故障すると、蛍光灯の放電が不安定になってしまいます。すると、蛍光灯が点滅をしたり、点灯しなくなったりすることがあります。劣化が進むと、異音や発熱、漏電などのトラブルに繋がるため注意が必要です。解決するためには、安定器を新しいものに交換しましょう。
配線の不具合
照明器具の配線が、劣化や破損によって不具合を起こすこともあります。すると、照明器具に電気が通らないため、蛍光灯がつかなくなります。この場合は、配線を修理すれば解決します。
もし、照明器具の配線の劣化によって不具合を起こしているのであれば、照明器具自体も劣化している可能性があります。その場合は、配線だけ修理してもまた不具合を起こす恐れがあるため、照明器具ごと買い換えるとよいでしょう。
通電していない
照明器具に電気が通っていなければ、当然蛍光灯はつきません。蛍光灯にも照明器具にも不具合が見られないのであれば、通電不良の可能性があります。
たとえば、停電や漏電、ブレーカーが落ちていることなどが原因として考えられます。漏電の場合は修理が必要となるため、専門の業者に依頼をしましょう。
グローランプの寿命
グローランプの寿命が原因の可能性もあります。グローランプとは、蛍光灯を点灯させるために必要な放電管です。グローランプの放電によって発生する熱を利用して、蛍光灯が点灯します。
そのため、グローランプの寿命が近づくと、熱を発生させることができなくなっていき、やがて蛍光灯がつかなくなります。グローランプの寿命は、約6,000回です。
つまり、照明の点消灯を一日に平均8回した場合は、寿命が訪れるまでの日数は750日ほどということになります。一日に平均何回ほど点消灯しているか考え、計算しておけば、おおよその交換時期がわかります。
蛍光灯がつかない際の対処法
自宅やオフィスの蛍光灯が突然点かなくなったら驚いてしまいますよね。対処法を知っておけば、慌てる前に行動することが可能です。
蛍光灯を交換する
蛍光灯の寿命が原因であれば、新しい蛍光灯に交換しましょう。ただし、蛍光灯と言ってもいろいろな種類があります。たとえば、まっすぐな形状の蛍光灯は「直管型」、円形の蛍光灯は「丸型」と呼ばれます。
また、グローランプも「グロースタータ形」「ラピッドスタート形」「インバータ形」「スリムライン形」といった種類があり、蛍光灯の形と合ったものを使用しなければなりません。蛍光灯やグローランプの種類を間違えてしまうと、正常に点灯しない可能性があるため、注意してください。
安定器を交換する
安定器の故障が原因の場合は、安定器を交換しましょう。ただし、安定器の交換は専門的な知識や技術が必要なため、業者に依頼をしてください。
また、まだ故障をしていなくても、劣化しているのであれば、早めに交換しておいたほうがよいでしょう。安定器が劣化している場合、異音や異臭、点灯不良、発熱などの症状が現れることがあります。少しでも異常が見られる場合は、点検や交換をしてもらうと安心です。
配線や漏電を修理する
配線や漏電による通電不良が原因の場合は、修理をしなければなりません。しかし、修理の作業を行うには、電気工事士の資格を持っている必要があります。資格を持っていない場合は、電気工事の業者に依頼をするようにしてください。
また、漏電している場合、部屋にある電化製品やコンセントに触れると、感電してしまう危険性があります。漏電箇所の特定や修理はすべて業者が行ってくれますので、業者が来るまでは無闇に触らないようにしましょう。
賃貸に住んでいて蛍光灯が点かない時の対処法
「自宅の蛍光灯が点かないんだけど、賃貸物件だからどうすればいいのか分からない…」という方も多いと思います。お悩みの要点になるのはおそらく蛍光灯の交換費用を誰が負担するかというところにあるでしょう。こちらに関してはケースバイケースです。
入居者が購入して交換する
一般的に、部屋の蛍光灯が切れた場合には入居者が費用を負担して交換することになります。蛍光灯は消耗品ですので、ティッシュペーパーや洗剤などの日用品と同じ感覚で、住んでいる人が購入する形になるのです。
また、入居時とは異なる蛍光灯に取り換えた場合は、退去時には入居時と同じ蛍光灯を取り付けた状態で引き渡す必要があります。なぜなら、賃貸物件では原状回復が基本となるからです。
のちのトラブルを防ぐためにも、もし入居時と異なる照明器具に交換したい場合は、大家さんや管理会社に連絡をして許可を得てください。
大家さんや管理会社が対応する
しかし、安定器や配線など根幹的な部分が故障している場合は、入居者の過失が原因でない限り自己負担のケースは少ないです。大家さんや管理会社に連絡をして相談しましょう。
また、アパートやマンションでは個室以外の共有部分(ロビーや玄関、廊下など)に照明器具が付いていることがあります。これら共有部分の蛍光灯が点かない場合は、大家さんや管理会社が費用を負担して対応するのが一般的です。
蛍光灯をLEDに変更するのもアリ
蛍光灯が寿命などで点かなくなったら、いっそのことその機会にLED照明器具に交換してしまうのはいかがでしょうか。LEDの蛍光灯にはさまざまなメリットがあるんですよ。
寿命が長くなる
LEDのメリットとしては、まずは「寿命が長い」ということが挙げられます。LEDの寿命は約4万時間といわれています。つまり、1日10時間点灯したとしても、寿命が訪れるまでに10年以上かかるということです。
照明器具は高所に設置されていることが多いため、蛍光灯の交換作業が面倒だと感じる方も多いでしょう。LEDに変更すれば、交換作業の回数を少なくすることができます。
電気代が安くなる
LEDは、蛍光灯よりも少ない消費電力で、同じくらいの明るさで光ることができます。消費電力が少ないということは、それだけ電気代が安く済むということです。
ただし、蛍光灯の安定器をそのまま使用し続けると、安定器にかかる電力の分、電気代が発生してしまいます。LED照明は安定器が不要ですので、電気代を節約したいのであれば、今まで使用していた安定器を取り外す工事をしましょう。
虫が集まりづらくなる
虫が照明器具に集まる様子を目にすることがあると思いますが、実は、虫は光に集まっているのではありません。虫は光自体ではなく、光に含まれる紫外線に反応して集まっています。
蛍光灯の光には紫外線が含まれますが、LEDの光には紫外線がほとんど含まれていません。そのため、LEDなら虫が集まって不快な思いをすることもなく、虫の死骸などの掃除をする必要もありません。
特に、虫が苦手な方にとっては、LEDに変更すればストレスの少ない環境で生活することができます。蛍光灯を使い続けるのではなく、LEDに変更する選択肢もあることを覚えておくとよいでしょう。
まとめ
蛍光灯が点かない原因は、主に故障と寿命の2種類に分けられます。蛍光灯の寿命であれば、ご自分で購入して交換すれば問題は解決できます。しかし、安定器や配線など根幹的な部分が故障した場合は専門業者に修理を依頼する必要があるでしょう。
賃貸物件の場合、蛍光灯の交換は入居者の自己負担になりますが、照明機器の故障は大家さんや管理会社に連絡をして対処してもらうのが一般的です。蛍光灯からLEDに交換したいケースなどでも、勝手に交換取り付けできないため、必ず相談するようにしてください。
街の修理屋さんでは、蛍光灯が点かない場合の修理交換やLED照明への交換などに対応しております。その他照明器具でお困りのことがあれば、お気軽にお問い合わせください。
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