床暖房は電気代がお得?種類豊富な床暖房について徹底解説!
夏から秋への移り変わりも早いものですが、秋から冬への移り変わりもあっという間ですよね。
少し肌寒くなったと思ったら暖房の準備が必要です。エアコンだけだと乾燥するし加湿器の準備もいりますね。それなら床暖房はどうでしょうか?
床暖房は機能面でもコストの面でも、長期的なスパンで考えるとコスパの良い暖房器具です。また床暖房にはいくつか種類もあり、それぞれに特徴があります。
この記事ではこれから床暖房の導入を検討している方や、今まで床暖房を利用していたものの古くなったので新しいものを探している方に向けて詳しく説明します。
ぜひ参考にしてみてくださいね!
そもそも床暖房とは?床暖房の仕組みと種類を解説します!
そもそも床暖房とは、床の下に熱源があり床を通して熱が伝わって部屋全体を温めてくれる方式の暖房器具のことをいいます。
床暖房には大きく分けて「電気式床暖房」、「温水式床暖房」2つの方式があります。
電気式床暖房
電気式床暖房は一般的に3種類の方式に分けられ、それぞれ使用する電力や温め方に違いがあります。
ローコストな「蓄熱式」
蓄熱式の床暖房とは、フローリングとヒーターの間に蓄熱材を挟み込み夜間電力などで蓄熱材を温めて放熱する方式の床暖房です。
電気料金の安い深夜帯に熱を貯め、電気料金の高い昼に輻射で部屋全体に放熱するのでコストパフォーマンスの面で見ても優れている方式です。
部屋を均一的に温めてくれて効率も良くランニングコストも安い特徴を持ちますが、新築時に導入するのが一般的でリフォームなど途中から工事をして取り入れるのが難しいのがネックですね。
新築での工事が前提となってしまうので初期費用も掛かかり、計画性も問われる床暖房方式です。
ムラの少ない「PTCヒーター式」
二つ目はPTCヒーター式の床暖房です。
PTCヒーターのPTCとは(Positive Temperature Coefficient)の略といっても分かりづらいですね。一言で表すと床全体が温度センサーの役割をしてくれる床暖房方式です。
暖房面の一部分の熱が高まればセンサーが反応して熱の高まりを抑えてくれます。
例えば日中の陽が差し込む部屋でも、陽が当たっている箇所は発熱を抑えて他の床面は通常通りに発熱をしてくれます。
日当たりに偏りがあっても床面の暖かさは均一になり省エネにも優れています。
PTCヒーターが薄いので工事がしやすいというメリットも持っています。
オーソドックスな安定感「熱電線ヒーター式」
熱電線ヒーター式床暖房は、従来から使われている床暖房の方式です。
熱電線が配置されたパネルをフローリングの下に配置して床下を温めます。
基本的には暖房用のパネルを敷くだけの施行なので工事がしやすく、初期費用が安いので手軽に導入ができるメリットがあります。
また施行性が高いので部分的に取り入れることも可能で、小スペースでのスポット利用にも向いています。
気軽に使える反面、蓄熱式床暖房やPTCヒーター式床暖房の様に発熱を抑える工夫はないので電気料金は他の方式に比べて割高に感じるでしょう。
温水式床暖房
温水式電気床暖房は、フローリングの下に敷いたパネルにお湯を循環させることで床面を温める方式の床暖房です。温水式床暖房には一般的に「温水式電気床暖房」と「温水式ガス床暖房」の2種類があります。
光熱費の安さが嬉しい「温水式電気床暖房」
温水式電気床暖房は、文字通り床下に循環させる温水を電気で温めています。温める際には「ヒートポンプ」という仕組みを利用しているのが特徴的です。
「ヒートポンプ」は外気を取り込んで空気を圧縮させて発熱させる仕組みです。配管にめぐらされた水が「ヒートポンプ」で温められた熱によってお湯になり、水の温度上昇と共に床からお部屋を暖めるという流れです。
この方式では水がお湯になる温度上昇を暖房に利用しているので、急激な温度変化は望めません。
メリットとしては光熱費の低さが他の床暖房方式よりも安いことが挙げられますが、その反面機器の導入や設置に初期費用が掛かります。
ガスで早い立ち上がり「温水式ガス床暖房」
温水式ガス床暖房は温水をガスで温める方式の床暖房です。
水を温める熱源がガスで、給湯器を利用しています。温水式電気床暖房と異なり給湯器を利用しているため立ち上がりの早さがポイントです。
また電気式は専用のヒートポンプの設置が必要であったりしますが、ガス式であれば設置機器は給湯器のみでスペースを取りません。設置機器が少ないこともあり初期費用は電気式よりも安価といえますが、ランニングコストは割高になるイメージです。
床暖房を利用するメリットとは
床暖房の方式に種類が複数あることが分かったところで、今度は床暖房の持つメリットを説明したいと思います。
床暖房には以下の様な4つのメリットがあります。
メリット①乾燥しにくい
電気式でも温水式でも床暖房であればエアコンやヒーターの様に温風は出ないので乾燥を気にする必要がありません。エアコン利用時に乾燥を防ぐために加湿器を併用するご家庭もありますが、床暖房であればその必要もありません。
メリット②ホコリがたちにくい
エアコンや石油ファンヒーターを利用していると温風が出るためホコリが舞うことが多々あります。また去年の冬に利用してからフィルタ―掃除をしていないとホコリだけでなく、カビ臭かったりと、掃除の手間や健康被害につながるデメリットも発生してしまいます。
床暖房であれば掃除の手間や特別なメンテナンスは要らないので、健康被害も気にならないので小さなお子さんや高齢のご家族がいても安心安全です。
メリット③部屋全体を温めてくれる
床暖房は足もとだけを暖める方式と誤解されやすいですが、実は部屋全体を自然な気流で温めてくれます。
これは「輻射熱(ふくしゃねつ)」といって床面の熱を部屋全体に伝えている効果が作用しているからなんです。
そして床暖房を利用すると足もとは26℃~30℃を保ち頭はスッキリとした状態を保つことができます。これは「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」といって健康にも良いとされる理想的な温度状態であり、床暖房ならではの温まり方です。
メリット④スペースが確保できる
床暖房を導入するメリットに空間スペースを広く保てるメリットがあります。ストーブやファンヒーターを使うとどうしても床上に設置せざるを得ないので広々したお部屋であっても空間を狭くしてしまいます。
部屋の模様替えやレイアウト、フローリングの掃除もしやすく、床上のスペースを広く使える床暖房は広さを損なわないのが嬉しいですね。
温水式床暖房であればヒートポンプや給湯器などの機器を設置する必要がありますが、それも屋外なので生活するにあたっては気になりません。
床暖房を利用するデメリットとは
メリットだらけのように思える床暖房ですが、もちろんデメリットもあります。
デメリット①初期費用がかかる
蓄熱式床暖房や温水式床暖房のように導入には大幅な工事や機器の設置が必要です。そもそも新築時にしか導入できないタイプの床暖房もあります。その場合にはどうしても初期費用が掛かってしまいます。
デメリット②光熱費がかかる
一般的に床暖房はエアコンよりも電気代やガス代が掛かるとされています。ただそれも設置面積や床暖房の種類によっても変化します。床暖房を検討する場合には設置面積と方式によるランニングコストの算出もしておくと良いでしょう。
デメリット③暖まるまで時間がかかる
床暖房は他の暖房機器よりも設定温度に達するまで時間がかかるとされています。そのため短時間で部屋を温めたい場合にはどうしてもエアコンやファンヒーターを併用する必要があります。また朝の寒い時間帯に合わせて足もとを温めるにはタイマーを利用する等の工夫がいります。
デメリット④維持費がかかる
初期費用、光熱費ときたらメンテナンスにもコストがかかります。床暖房といえども故障をしたら修理が必要になります。
また経年劣化はどんな暖房器具であっても無くなりはしません。古くなって使えなくなったり生活に支障をきたすようであれば効果や床の張替えに関する費用はどうしてもかかってしまいます。
床暖房で迷ったら専門家へ相談!
ここまで床暖房の種類、メリットとデメリットをお伝えしてきました。
快適さや身体への安全性を考えると床暖房は小さなお子さんがいる家庭や高齢者のいる家庭にとって使い勝手が良い暖房方式です。
初期費用やコストを考えると導入に迷ってしまいますが、それも設置面積や床暖房の方式によっても節約は可能ですし、耐用年数を考えると長いスパンで見ればコストパフォーマンスにも優れているといえるでしょう。
床暖房に限らず、現在販売されている暖房器具には千差万別で様々な種類があります。
それぞれにメリットもデメリットもあり一長一短あるのが普通です。
床暖房を検討しているようであれば、自身や自分の家庭のライフスタイルや状況に適しているタイプを選ぶと良いでしょう。
そして少しでも迷うことがありましたら専門家に相談してみることをオススメします。
※ページ内に掲載されている料金は作成日当時のものです。状況や時期により実際の料金とは異なる場合がありますので、詳細は電話でお問い合わせください。