ムクドリの巣の作り方と作りやすい場所を解説!対策と駆除方法も教えます
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ムクドリというと、夕方の空に大群で飛んでいたり、木や電信柱にたくさん停まっているところをイメージするかと思います。たくさんいると気味が悪い、鳴き声がうるさくて困る、糞がたくさん落ちて見た目にも衛生的にも悪い。など、なんとなく害鳥といった強い鳥なのがこのムクドリです。
近くにいなければ被害もなく、よく見れば可愛らしい鳥です…が、実はこのムクドリ、人家に巣を作ることでも有名です。今回はムクドリの巣や、巣を作らせないようにする対策・駆除方法もご紹介します。
また、ムクドリの仲間の「コムクドリ」との違いについても詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ムクドリの生態
まずはムクドリの生態について、簡単にご説明します。ムクドリのことをよく知ることで、対策に役立てましょう。
ムクドリはスズメの仲間の野生の鳥で、留鳥(りゅうちょう、とどめどり)と呼ばれることもあります。全長は約24センチで、体重は75グラム〜90グラムの比較的小さな鳥です。日本全域に生息している留鳥なので、一年中どこでも見る機会があります。
1回の繁殖で4個から7個の卵を産み育てるので、繁殖力が強く増えやすい鳥だといえます。
また、ムクドリは群れを作る鳥ですが、一年間ずっと群れを作っているわけではありません。繁殖期の春から夏のムクドリは、ツガイで巣を作って、子育てを行います。このためこの期間で群れを作ることはありません。
ムクドリが群れを作るのは、繁殖期が終わった秋ごろから冬にかけて。その数は冬にかけてだんだんと大きくなり、中には数千、数万になる巨大な群れを作るグループもあります。
冬にかけて群れが大きくなるのは、冬の寒さを越すためだと考えられています。群れをより大きくすることで、冬の寒さをしのいだり、エサ場を見つけやすくしているのです。
ムクドリの被害が増えるのも、群れが大きくなる夏の終わりから秋の終わりごろ。春や夏には姿を見ないけど、秋になるとムクドリが多くなると感じる方も多いのではないでしょうか。
ムクドリが巣を作る時期
ムクドリの繁殖期は年に2回あり、春から秋にかけてがその主なシーズンです。この時期になると、ムクドリたちはツガイを作り、夫婦でさまざまなところに巣を作って卵を産み育てます。
ムクドリが巣を作る場所
ムクドリは穴の中に巣を作る習性があります。この穴というのは、木にできる空洞です。例えば木が腐ってできた隙間や、キツツキなどの別の鳥が作った木の穴になります。外敵から卵を守るため、こうした隠れやすいところを好んで巣を作るのが、ムクドリという鳥です。
人家には巣を作る場所がいっぱい
こうして隠れやすいところに巣を作るムクドリ。自然界では、主に木がその巣穴になります。ですがムクドリの都市部進出が盛んな今は、人家がその主な巣穴になりはじめています。
雨戸(戸袋)
例えば、戸建てによくある雨戸の戸袋。築20年を越す戸建てだと、必ずといっていいほどある雨戸。ですが最近では雨戸を使わない家庭がほとんどです。雨戸をしまったまま何年も使わず、また掃除もしていないという方が多いのではないでしょうか。こうした開かずの雨戸を見つけたムクドリは、ここに木の葉や枝をしいて巣にしてしまうのです。雨戸は頑丈ですし、雨風も防げます。また人家ということもあり、外敵が侵入してくることもほぼありません。ムクドリにとっては要塞のような雨戸の戸袋は、恰好の巣穴というわけです。
「お家にムクドリの巣がある!」「撤去してほしい」と修理屋さんでもお問い合わせいただきますが、その場所の8割、9割方がこの雨戸の戸袋。雨戸の戸袋を意識して見ている人は、ほとんどいないのではないかと思います。そうした目につきにくい場所だからこそ、いつの間にか巣を作られてしまうわけですね。
エアコン用の壁穴
こちらもムクドリの巣穴としてよく使われてしまうのが、エアコンのダクトを通すための壁穴です。と言ってもこの事例は、雨戸の戸袋に比べれば多くありません。これはダクト回りの処理をしていれば、ムクドリは巣を作ることができないからです。ですが、ダクト周りのコーティングをしっかりしていなかったり、経年劣化でハゲてしまうとムクドリが目をつけてしまいます。
エアコン用の壁穴にも巣を作るといいましたが、実際にはエアコン用の壁穴からムクドリが侵入して、壁の中に巣を作ります。こうなると巣を取り出すことが難しく、家の内側または外側の壁に穴を開けて巣を取り出すしかありません。雨戸以上に気づきにくいということもあり、知らないうちに壁の中から「ぴいぴい」とヒナの声が聞こえてくる…なんてこともあります。
天井裏
こちらはそれなりの多さですが、天井裏に巣を作っていることもあります。新築や手入れの行き届いている建物であれば、ほぼ問題ありません。ですが築年数がたったり、風害などで家の屋根や壁に隙間ができている場合。こういった隙間にムクドリが目をつけて、侵入し巣を作ることがあります。とくに天井裏はいろいろと厄介。まず人の目が届かないということと、ムクドリには恰好の巣穴だということ。雨戸の戸袋やエアコンの壁穴と違い、天井裏は広々しているのでムクドリが複数の巣を作ることがあります。
換気扇
なにげに多い巣穴に、換気扇があります。といっても、壁に設置される扇風機タイプではなく、キッチンのレンジフードや浴室の天井に取り付けられる換気扇などです。こうした換気扇は外の壁からダクトを伝って室内を換気しています。が、このダクトのカバーが外れていると、ここからムクドリが侵入して換気扇ないに巣を作ることがあります。こうなると換気扇が故障することもあるので、室内の換気ができなくなります。また換気扇が故障していない場合でも、ムクドリについている虫や雑菌などを室内に撒き散らすことになるので使い物になりません。
屋根・建物の継ぎ目
屋根や建物の継ぎ目、増築などでできた建物の隙間も、ムクドリの巣穴になります。ムクドリは警戒心も強く、また巣作り上手でもあります。こうした隙間を見つけては、巣を作ってしまうわけですね。
ムクドリの巣の危険
こうしていろんなところに巣を作るムクドリ。迷惑な話ですが、その姿を見ると気を許してしまう方が多くいます。「せっかくうちに巣を作ってくれたわけだし…」「よく見ると親鳥もヒナもかわいい」そういって、巣立ちまで巣をそのままにする方も多くいます。また段ボールなどに巣を移動させ、庭やベランダに置いて起き、巣立ちを待つという方も。ムクドリ自体は可愛らしい見た目ですし、家に巣ができると情が沸いてしまうものです。けれどこのムクドリとその巣には、いろいろな危険があります。
巣もヒナもダニの温床
まず気にしたいのが、ムクドリのダニです。ムクドリは野生の鳥なので、その体には害虫がたくさんついています。また巣に使っている草木などの材料は、非常に不衛生です。巣にもダニがつきやすく、また親鳥やヒナにもダニがついています。見た目に気持ちが悪いだけではなく、人の体にも悪影響があります。
糞による人と建物への被害
次に気にするべきは糞。ムクドリの巣があるということは、ヒナたちはそこに糞をしていることになります。また親鳥も巣や巣の近くで糞をするので、非常に不衛生です。見た目の汚さはもちろん、糞にはさまざまな雑菌が含まれているので健康被害にも繋がります。
なかでもよくある健康被害が、アレルギー生の喘息と皮膚炎。ムクドリが多いところで咳が多くなる、皮膚が荒れるなどがそれです。またカビが発生した糞を吸い込むと、頭痛やめまいといった症状が出たり、ひどいときには高熱を出してしまうこともあります。
ペット・家畜への健康被害
こうした健康被害は、人だけではなく飼っているペットにも影響を及ぼすこともあります。また病気を持ったムクドリが、鶏などの家畜に病気をうつしてしまうこともあります。
臭いの被害
ムクドリやムクドリの巣には、ダニや糞、衛生面での被害があります。そしてこれらは、悪臭を放つことにもなります。1組のツガイが作る巣ではそこまでもないかもしれませんが、屋根裏などに巣を作られたらその臭いは尋常ではありません。とくに掃除のしにくいところに巣を作られたら、臭いが消えるまでに相当数の時間がかかってしまいます。
騒音の被害
まず代表的な被害の、騒音についておさらい。群れになったムクドリの鳴き声が巷で問題になっています。ムクドリは鳴き声でコミュニケーションを取るので、よく鳴く鳥だともいえます。独特の甲高い声で「キュルキュル」「ギュルギュル」と早口のように鳴く声が、群れになると騒音となり人々を悩ませます。
糞害
次に有名で厄介なのが糞害。群れとなったムクドリが大量の落とすフンが、道路や家の敷地、車などを汚して景観を悪くしてしまいます。また車や家の壁に落とされたフンは、塗装を傷める原因にも。大量になると掃除も大変なので、落とすのにも苦労します。
ムクドリの対策方法
ムクドリ対策としての基本は、ムクドリを来させないことです。ここでは、ムクドリが近づけないような環境を作る方法についてご紹介していきます。
植木の剪定
植木がムクドリの宿木になっている場合は、枝を切って整えます。ムクドリが留まれるような場所をなくすことで、ムクドリが寄り付かないようにしましょう。庭木であれば枝を切って整える、近所の公園や広場などの公共の場所であれば管理者に連絡して対策をお願いしましょう。
防鳥ネットを張る
ベランダの手すりや軒下、畑などがムクドリの溜まり場になっている。そんなときには防鳥ネットを張ることで、ムクドリの侵入を防ぎます。
バードスパイクを置く
こちらも、ベランダの手すりなどがムクドリの溜まり場になっている場合。バードスパイクを置くことで、ムクドリが留まるのを防ぎます。
『コムクドリ』について
ムクドリの種類の1つに、「コムクドリ」という鳥がいます。コムクドとは全長が19cmくらいの鳥で、スズメ目ムクドリ科に分類されています。ムクドリ科つくことからも、名前の通りムクドリの仲間であることがわかります。
オスは頭から胸にかけて、淡いクリーム色をしています。また頬から耳あたりまでに赤茶色の斑点があり、背中や肩、翼の根本部分は黒い色をしています。翼の先や尻尾は光沢のある紫掛かった黒。それからお腹から下の部分はくすんだ感じのクリーム色をしています。一方メスは、頭から胸にかけて灰褐色をしていて、頬の斑点はありません。
コムクドリの生息地
コムクドリは日本列島で繁殖する渡り鳥で、春から秋にかけて主に北海道から本州に飛来します。暖かい時期に飛来することから、日本では夏鳥とも呼ばれています。逆に冬の寒い時期になると、日本を離れて南のフィリピンやボルネオ島に渡っていきます。この渡りの時期になると、沖縄などの南のほうでも姿をみることができます。
コムクドリをよくみる場所としては、平地や山地の開けた林の中。また林があるところであれば、人里近くでも見ることができます。
コムクドリとムクドリの違い
ムクドリとコムクドリには、以下のような違いがあります。
見た目
コムクドリはムクドリよりも少し小さめです。コムクドリが19cmなのに対して、ムクドリは24cmくらいもあります。
またコムクドリのクチバシと脚は黒いのに対して、ムクドリは黄色やオレンジに近い色をしています。そのほか色の違いでは、コムクドリの頭がクリーム色なのに対して、ムクドリは黒い色をしています。
生態
コムクドリは主に暖かい時期に訪れる渡り鳥ですが、ムクドリは一年中日本にいます。コムクドリがムクドリに混じって飛んでいることもありますが、それはたまたまムクドリと遭遇しただけで、一年中一緒にいるわけではありません。
またコムクドリは林が主な生息地ですが、ムクドリは街中や繁華街でもよく見かけます。
繁殖期・巣作り
ムクドリは、木の穴や屋根の隙間、軒先などのさまざまなところに巣を作ります。産卵期は3月から7月と長く、卵を有無数も4個から9個とコムクドリよりも多くなっています。
一方、コムクドリの繁殖期は、主にキツツキが穴を空けたあとや、家の屋根の隙間に巣を作ります。産卵期が5月から7月で、4個から6個の卵を産んで育てます。
群れ
コムクドリは渡り鳥のため、そこまで大きな群れは作らないのが特徴。その数も数羽から十数羽と比較的小規模です。一方ムクドリは、一年に大量に繁殖するため群れの規模も絶大。その数は、大規模なものだと数千から数万にも上ります。
食べ物
ムクドリは地面に降りて、ミミズやバッタなどの虫を採って食べることが多いです。またムクドリは雑食性のため、コムクドリのように木の実を食べる姿もたびたび目撃されています。
一方、コムクドリは林の中の木の上で生活することが多いため、食べるものも木の実やクモ、ミノムシなどの木の上で採れるものを多く食べます。
鳴き声
コムクドリの鳴き声は、「キュルキュル」「ギュル ギー」など。またさえずりは「チチチ」「ピーキュル」など。総じて鳴き声は高く、明るい声と濁った声を織り交ぜながら早口で鳴きます。一方のムクドリは、「ギャーギャー」「ギュルギュル」「ミチミチ」など。コムクドリと比べると、鳴き声は低く感じます。
ほかにもいる「ムクドリ」の仲間
コムクドリのほかにも、「ムクドリ」とつく仲間がいます。たとえば「ギンムクドリ」や「カラムクドリ」などです。どれも「ムクドリ」という名前がつきますが、見た目や生態に大きな違いがあります。
害鳥ではない「コ」ムクドリ
日本では、ムクドリと聞くと害鳥というイメージが強くなっています。ニュース番組などで、住宅地に群がるムクドリが頻繁に映し出されるからでしょう。大群となったムクドリの鳴き声は騒音ですし、糞害は見た目に悪いだけではなく衛生面もよくありません。糞から発せられる雑菌や、落ちた羽についたダニなどで健康被害などが報告されています。
そんななにかと厄介なムクドリですが、「コ」ムクドリは害鳥ではありません。先述のように、渡り鳥のため大群で群を作ることはありません。街中よりも林を好む傾向があるため、都会ではあまり見かけない鳥です。また桜鳥と言われるように、春の訪れを感じる可愛らしい鳥でもありますし、同じムクドリでも、ムクドリとの見た目や生態も大きく違います。
自宅周辺でムクドリの巣を見つけたら
ムクドリは民家のある場所に生息するため、自宅周辺で巣を見つけることもあるかもしれません。もし巣を見つけたら、すぐに撤去することが大切です。見た目の可愛さや情に流されて、放置するとあとあと厄介なことに。見た目の汚さはもちろん、健康被害や建物の損壊を招くことになります。
とはいえ、ムクドリの巣の撤去は容易ではありません。まずムクドリなどの野鳥は、個人で撤去したり処分することができません。巣があるだけで中身が空、巣の作り途中で親鳥も近くにいない。そういったときは巣を壊して捨てても大丈夫。ですが巣の中に卵やヒナがいたり、親鳥がいたりすると、個人で捕まえると法律違反になってしまいます。とくにこれは野生動物保護によるもので、人が野鳥を捕まえたり、処分・殺してしまうことが禁止されているからです。
ではそのまま巣立ちを待つしかないのか。というとそうでもなく、自治体の許可があれば撤去や処分をすることができます。けれども色々と手続きをしたり、連絡をしたりと面倒であることも事実。また巣に卵やヒナがいた場合、どうすればいいかもわかりません。
そういったときは、街の修理屋さんのような専門業者にまかせることが一番楽。事前にご連絡いただければ、各自治体の許可をとったのちに巣の撤去を行います。仮に巣の中にヒナや卵があった場合でも、安全に処置し自然に返すことをしています。
ムクドリに巣を作らせないために
ムクドリに巣を作らせないためには、巣を作れない環境を作るのが一番。雨戸の戸袋であれば、定期的に掃除をする。また全く使わないのであれば、隙間から入れないようにネットをかけておくといいでしょう。そのほかエアコンや換気扇なども、定期的にメンテナンスをして隙間を作らないようにすることが大切です。簡単なことですし、おうちのメンテナンスにもなります。この記事をきっかけに、おうち周りの点検をしてみるとよいでしょう。
ムクドリの被害で悩んでいる方は、まずは対策を行い、それでもダメな場合は街の修理屋さんにご相談ください。
※ページ内に掲載されている料金は作成日当時のものです。状況や時期により実際の料金とは異なる場合がありますので、詳細は電話でお問い合わせください。