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電気のアンペア変更前に知っておくべきこと教えます!

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寒さが厳しくなると、家の中の暖房やコタツが恋しくなるもの……しかし、寒い季節ほど「電気の使い過ぎ」に注意が必要です。

暖房器具をいくつも使ったり、外干しではなかなか乾かないからと洗濯乾燥機も使って、寒いからちょっとあったかいものが欲しくてレンジを使って……なんてやっていたら、あっというまにブレーカーが落ちるなんてことになりかねません。

そんな中、「寒いのを我慢するのは辛い!」「家電を動かす時間帯をずらすことができない……」なんて悩みを抱えている人もいることでしょう。そもそも、頻繁にブレーカーが落ちるなら、アンペア数が合っていないのかもしれません。電気機器の数をこれ以上減らせないのであれば、契約アンペア数の変更を検討する必要があります。

そこで今回は、電気のアンペア変更について徹底解説していきます。

アンペア数とは

ブレーカー(分電盤)

アンペアとは、一度に流れる電気の量を表す単位のことで、「10A」「20A」などと表示されます。電力会社と契約しているアンペア数が、同時に使える最大電力です。契約アンペア数は、ブレーカー(分電盤)や電気の検針票に記載されており、必要に応じて変更ができます。

契約アンペア数によって使える電気の量に限りがあるため、適当に使っているとうっかり使いすぎてブレーカーが落ちる原因にもなります。

頻繁にブレーカーが落ちて不便な思いをしないためにも、電力会社の契約アンペア数を適切な方法で決めるのがおすすめです。

現在の契約アンペア数の確認方法

まずは、いま現在の契約アンペア数を確認する方法についてご説明します。

電気料金請求書の確認

電力会社から送られてくる電気料金請求書には、契約アンペア数や契約容量に関する情報が記載されていることがあります。請求書を確認すれば、契約アンペア数を見つけることができるでしょう。

あるいは、ウェブ(Web検針票など)で電気料金を閲覧することでも、契約アンペア数を確認できます。

電力会社に問い合わせ

最も確実な方法は、電力会社に直接問い合わせて契約アンペア数を尋ねることです。電力会社は契約情報を保持しており、カスタマーサポート担当者が必要な情報を提供します。電話、メール、オンラインチャット、または電力会社のウェブサイトを通じて問い合わせることができるため、都合の良い方法を選択してください。

電力メーターの確認

契約アンペア数は、電力メーターに関連する情報として表示されることがあります。スマートメーターを導入している場合、電力メーターのデジタルディスプレイやラベルに掲載されている可能性があるため、確認してみましょう。ただし、電力メーターの読み方に関する知識が必要です。

契約アンペア数を決める方法

契約アンペア数を決める方法として、①電気使用量の予測②建物または施設のタイプ③電気ヒーターまたはエアコンの存在④地域の電力供給能力のいずれかを基準にするのが良いです。

電気使用量の予測

契約アンペア数を決定する際は、はじめに建物または施設の電気使用量を予測します。これには、建物内の照明、家電、機器、エアコン、暖房などの電気消費量を考慮しなければなりません。

多くの電力会社では月々の基本料金を契約アンペア数で決めています。実際に必要なアンペア数よりも大きなアンペア数で契約すると、ムダな電気料金を支払わなければならなくなります。

電力会社などのアプリでは、電気料金の明細に加え「電気使用量の予測」も見られるようになっています。アンペア数を決める際の参考にしましょう。

建物または施設のタイプ

建物や施設のタイプによって、必要な契約アンペア数が異なります。例えば、住宅と商業施設では電力需要が異なるため、契約アンペア数も異なります。

家庭における一般的な契約アンペア数は20~30Aですが、飲食店(小中規模)では50~60Aが必要です。テナントビルや大型のショッピングモールとなると、さらに大きな電力が必要となるため、必然的にアンペア数も大きくなります。

電気ヒーターまたはエアコンの存在

電気ヒーターやエアコンは、電力需要を急増させることがあります。これらの機器の存在と使用頻度も契約アンペア数の決定要因です。

ルームエアコン(6畳用)1台のアンペア数は5A以下なので、家庭における契約アンペア数は30A程度で良いとされています。しかし、オフィスなどで200Vのエアコンや業務用エアコンを使用する場合は、40~60Aの契約アンペアが必要とされます。

特に、電気ヒーターやエアコンを常時つける場合は、契約アンペア数を決める際に組み込むのが必須となるでしょう。

地域の電力供給能力

電力会社は、地域の電力供給能力を考慮して、契約アンペア数を調整することがあります。一部の地域では、電力供給に制約があるため、契約アンペア数が制限されることがあります。

必要なアンペア数の計算方法

必要なアンペア数(電気の量)は、計算で算出することも可能です。電気使用量の予測にも活用できるため、この機会に計算方法を知っておきましょう。

①アンペア数で計算する

使用したい家電製品のアンペア数が分かっている場合は、単純な足し算で計算できます。

例えば、2.5Aの冷蔵庫と15Aの電子レンジを同時に使いたい場合、必要なアンペア数は2.5+15=17.5Aとなるため、契約アンペア数は20Aで良いということになります。

②消費電力で計算する

子ブレーカー1回路につき使える電力は2000Wで、【20A×100V=2000W】という計算になります。通常のコンセントの場合は【15A×100V=1500W】という計算になります。

必要なアンペア数を割り出す時は【使用する家電の合計ワット数W÷100V=必要アンペア数A】という計算方法になります。例えば、使用する家電の合計ワット数が2000Wであれば、2000W÷100V=20Aという計算になります。

詳しくは下記関連記事をご参照ください。

契約アンペア数の変更方法

工事中の様子

「必要な電気の量は分かったけど、契約アンペア数の変更は誰に言えばいいの?」と思う方も多い事でしょう。

契約アンペア変更の際の連絡先は、電力会社です。例えば、東京電力や中部電力、関西電力などが挙げられます。検針票に契約アンペア数が記載されていることからわかる通り、アンペア数を決めて契約している先は電力会社になります。

なお、賃貸住宅の場合は勝手に変更できないため、電力会社に直接アンペア変更を依頼する前に管理会社へ連絡しましょうね。

アンペア変更時に注意すること

40Aでアンペア契約しているブレーカー

アンペア変更は電力会社に連絡すれば可能ですが、「変更して!」「はい喜んで!」なんてお手軽に済ませるわけにはいかないものです。アンペア変更に伴い、電気料金にも影響があったり、ブレーカーの交換が必要になったりするからです。

ここでは、そんなアンペア変更にあたっての注意点について解説しますね。

契約アンペア数と基本料金は比例する

大抵の家庭では、従量電灯プランで電気を契約していることでしょう。
この従量電灯プランは、基本料金に使った電力量に応じた料金をプラスした金額の請求になります。
アンペア数が少ないほどこの基本料金は安くなり、アンペア数が増えると基本料金も上がります。本当は30Aで足りるのに、念のため50Aで契約ということを行えばその分基本料金が高くなるわけです。

逆に、この基本料金を抑えて節約するために、わざと低めのアンペア数で契約する方もいらっしゃいます。使用量ギリギリで契約したり、ブレーカーが落ちる不便さを感じながらも現状のアンペア数から変えないといった生活になります。不便ではありますが毎月固定の出費ですし、「忙しくて家には寝るために帰るだけ」といった生活スタイルの場合はそれでも問題はないのでしょう。

なお、変わるのは基本料金だけです。使用電力に応じた請求額の方は変わりません。こちらの従量課金の額は各電力会社が設定しております。契約している電力会社のWEBサイトか、検針票の記載内容を確認しましょう。

アンペアは1年契約

次に注意する点は、電気のプランなどは基本的に1年契約であるところです。

例えば、「冬だけは沢山電気を使うけれど春夏秋はあまり使わないから冬場だけアンペアを上げたい!」と考えたとしても、数か月のみのピンポイント変更はできません。

こうした季節によって使う電力が変わる場合、最も多く使う季節に合わせてアンペア数を算出し契約すると良いでしょう。

アンペア変更→ブレーカー交換

契約するアンペアを変更する際は、アンペアブレーカー機能のついたスマートメーターを使用している場合はアンペアブレーカーの交換は必要ない場合があります。

しかし、スマートメーターを使用していない場合はアンペアブレーカーの交換が必要になります。アンペアブレーカーの機能がついたスマートメーターを使用している場合でも、漏電ブレーカーが変更後の契約アンペア数に対応していない場合は交換が必要になります。

アンペア変更に伴い専用コンセントを増やしたい場合や、回路を増やすために子ブレーカー増設を考えている場合も、子ブレーカーのみ増やすよりは分電盤ごと交換した方が良いこともあります。

つまり、アンペア変更の際は高確率でブレーカー(分電盤)の交換が発生するのです。

分電盤(ブレーカー)は10年程度で寿命を迎える電化製品です。長く使っているブレーカーなら、アンペア変更をきっかけに交換するのも良いかもしれませんね。

アンペア契約ではない地域もある

関東ではお馴染みの東京電力や、北の大地の電力を賄う北海道電力など、関東以北では基本的に電気の契約はアンペア契約です。多くの電力を使いたい時は、アンペア変更を管轄の電力会社に依頼する必要があります。

しかし、関西電力や四国電力、中国電力や沖縄電力など関東より南はアンペア契約ではない地域も多いです。例えば、関西電力ではアンペア契約ではなく最低料金制が導入されています。

実際にアンペア契約か否かは、ブレーカーの表示や検針票の記載内容から確認ができます。一度確認しておきたい場合は、検針票を確認すると良いでしょう。

当然ながら、アンペア契約ではない契約の場合アンペア変更はできません。ご注意ください。

アンペア数計算やブレーカーについては電気工事の業者へ相談しましょう

アンペアブレーカーのない分電盤

「アンペア数の計算方法がいまいち分からない……」
「子ブレーカーはいくつあったらいいの?」
「スマートメーターなのにブレーカー交換が必要なの?」
「そもそもブレーカーってなに?」

そんな疑問やお悩みのある方は、アンペア変更依頼の前に電気工事の業者へ相談することをおすすめします。

どの家電でどの程度電力消費するか、どの家電には専用回路が必要で子ブレーカーの数はどのくらいあれば良いのかなど、ブレーカー交換の必要可否について、専門の知識を持った電気工事士が相談を承ります。

特に、漏電ブレーカーの交換が必要か否かについては、漏電ブレーカーがどのような回路で各回路を何Aで設計しているのかという診断が必要になります。これについては分電盤をぱっと見ただけでは素人に判断できないものです。まずは相談することで、何が必要でどれは不要なのか判断できるようになりますよ。

もちろん、街の修理屋さんでもご相談は承っております。ブレーカーの不具合点検や修理も実施していますのでお気軽にお問い合わせくださいね。


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