子ブレーカーで起きる電気トラブルの原因とその詳しい解決方法
ブレーカーには様々な種類がありますが、「子ブレーカー」という言葉を聞いたことがありますでしょうか。
分電盤を見るとブレーカーがたくさんあるため、部屋のブレーカーが落ちた時にどこのブレーカーが作動したのかなど知識がないとすぐには分かりませんよね。
ブレーカーが落ちてしまい、予期せぬタイミングで電気が消えてしまった時にすぐに復旧できるように、ブレーカーについて知っておくとかなり役立ちます。
今回は、
・子ブレーカーとは何か
・子ブレーカーが落ちる原因
・子ブレーカーが落ちてしまった時の対処法
などについて詳しく話していきます。
あると便利な知識として、漏電ブレーカーやアンペアブレーカーについても併せて解説していきます。
街の修理屋さんでは、全国の工事実績が15万件以上あります。国税庁や日本郵便など、有名企業からも依頼を受けた実績があります。記事の信頼性は確保されているので、ぜひ参考にして、照明トラブルの解決に役立ててくださいね。
そもそも子ブレーカーって何?
「子ブレーカー」って余り聞き慣れない言葉ですよね。
子ブレーカーがどんな役割をしているのかについて見ていきましょう。
分電盤の中で形成される
子ブレーカーは分電盤の中にあります。
分電盤の役割は、「電気を分ける機能を持った箱」のようなものです。
送られてきた電気を各部屋へと分けて届けてくれます。
分電盤の中には、
・リミッター(アンペアブレーカー)
・主幹ブレーカー(漏電ブレーカー)
・子ブレーカー(安全ブレーカー)
が内蔵されています。
つまり子ブレーカーとは、分電盤の中で形成されているブレーカーの1つということになります。
子ブレーカーの役割
子ブレーカーは、安全ブレーカーや分岐ブレーカーとも呼ばれます。
子ブレーカーは、電線のショートや過剰な電流を遮断したり、各部屋の回路に繋がる電気を管理したりする役割を担っています。
多くの子ブレーカーには、20Aの過電流遮断器、または漏電遮断器が設置されています。つまり、1つの回路で同時に流せる電気は20Aが上限ということです。
各部屋に電気を送り届けるのが子ブレーカーの役割でしたよね。
20Aブレーカーが125%使用されるようになると1時間以内に子ブレーカーが落ち、電気が遮断されるようになっています。
子ブレーカーが落ちると、該当の回路に繋がる部屋だけが停電します。
子ブレーカーが落ちる原因
子ブレーカーが落ちてしまう原因はどこにあるのでしょうか。考えられるものを挙げていきたいと思います。
部屋ごとの電気容量を超えている
電気は部屋ごとに送られて、各部屋で使える電気量も決まっています。
その部屋で使える電気量を超えてしまうと、当然子ブレーカーは落ちてしまうことになるのです。
電気回路に設定された電流容量を超える電力が流れると、子ブレーカーが自動的に切れます。これは、家電製品やアプライアンスの多重使用、コンセントへの過剰な電力供給などによって引き起こされることがあります。
電気を同時に使い過ぎている
子ブレーカーが落ちてしまう原因には、電気の使い過ぎが考えられます。1つの回路につき20Aが上限の場合、それを超える電気を使うと子ブレーカーが落ちます。
電化製品を同時に何個も使用してしまうと、アンペア数が電力会社と契約しているものよりも上回ってしまい、アンペアブレーカーまで落ちてしまうため注意が必要です。
短絡により大きな電流が流れた
短絡(ショート)とは、電気が本来の回路を逸れて、電気回路内の配線が直接的または間接的に接触し、電流が急激に増加する状態です。短絡は配線の断線や絶縁不良などが主な原因で起こる現象で、電気抵抗が著しく小さくなるため大変危険です。短絡が発生すると、子ブレーカーは電流の急上昇を検出して切断します。
遮断器に流れた短絡電流が定格遮断電流の1/2以下であれば継続して使用できますが、1~1.5倍の場合は遮断器に大きな負担がかかるため、交換が望ましいです。定格遮断電流の2倍の電流が流れた場合は交換が推奨されています。
電気機器が故障している
故障した電気機器やアプライアンスが異常な電流を引き起こすことがあり、これが子ブレーカーのトリップの原因となります。電気機器が劣化すると、発熱や発火を引き起こす恐れもあるため大変危険です。
機器本体の故障とともに、電源コードの状態にも注意してください。重量のある家具や家電にコードが踏まれていたりすると、コードが損傷して子ブレーカーが落ちる原因になり、感電や発熱、発火の恐れもあります。
子ブレーカーから異音がする時は、電気の使い過ぎが原因と考えられます。
子ブレーカーが落ちた時の復旧法
子ブレーカーが落ちてしまった場合はどうしたらいいのでしょうか。
突然、部屋の電気が落ちてしまったら困ってしまいますよね。
この項目では、自分で簡単に行える子ブレーカーの復旧方法を見ていきましょう。
(1)一度電化製品のコンセントを抜く
まずは、停電した部屋の電化製品のコンセントを一旦全て抜いてみてください。
停電から復旧する際に過大な電圧や電流が流れることになるため、電化製品が耐えられず故障してしまう恐れがあるのです。
また、過大な電流によって再度停電してしまう恐れもあります。コンセントを抜いた状態で復旧させるのがポイントです。壁にある照明のスイッチも落としておきましょう。
(2)子ブレーカーを上げる
次に、落ちてしまった子ブレーカーのスイッチを上げてONにします。
(3)再度コンセントを入れ直す
子ブレーカーを上げたら、再度電化製品のコンセントを入れて電源をONにしてみましょう。部屋の照明は壁スイッチをONにして点灯させます。
これで部屋の電気などが点けば復旧完了です。電気が点けば通常通りに電気を使っていっても大丈夫ですよ。
何回も子ブレーカーが落ちてしまう時の対処法
子ブレーカーが落ちてしまった時、上の項目の復旧方法で解決できるケースが大半です。しかし、復旧方法を試してみてもやっぱりブレーカーが落ちてしまうという方はこちらを参考に対処してください。
電化製品を見直す
電化製品の消費アンペアが大きいとすぐにブレーカーが落ちてしまいがちです。
その場合は、使っている電化製品を見直して、消費アンペアの少ないものを選ぶように見直すといいでしょう。
他にも、
・電化製品を同時に使わない
・使用頻度を分散させる
・使っていない電化製品のコンセントを抜く
などの工夫が出来ます。
過剰な電力負荷を減らすために電化製品を制限することが重要です。電気回路に関する計画的な使用を心掛けましょう。
ブレーカーの容量を増やす
どうしても消費アンペアを減らせない場合、ブレーカー自体の容量を増やすことを検討します。子ブレーカーが過負荷で落ちる場合、必要な電気回路の容量を確認し、15A⇒20A⇒30Aと必要に応じてアップグレードしましょう。
ただし、単に子ブレーカーを替えるだけでいいとは限らない点に注意が必要です。。電気の量が多いほど配線も太くしなければならないため、屋内配線やコンセントの交換が必要になる可能性があります。
ブレーカーの短絡保護を行う
短絡を防ぐために、電気配線やコンセントを定期的に点検し、断線や配線の損傷を修理します。また、アプライアンスや電気機器の接続部分に問題がないことを確認し、必要であれば交換してください。
そもそも、子ブレーカーに短絡保護機能が付いていない場合は、過負荷による安全性が不十分といえます。市販の「コード短絡保護専用ブレーカー」を導入するのがおすすめです。(※配線工事を伴うため、取り付けは電気工事士の資格が必要です)。
故障した機器の交換
安全ブレーカーが故障した電気機器によってトリップする場合、その機器を修理または交換する必要があります。故障した機器は電気ショートの原因となることがあるため、早急に対応しましょう。
漏電ブレーカーが落ちる原因
分電盤には、子ブレーカーのほかに漏電ブレーカーも配置されています。子ブレーカーが落ちるのに原因があるように、漏電ブレーカーが落ちるのにも原因があります。漏電ブレーカーが落ちた時は次の項目をチェックしてみてください。
漏電している
漏電ブレーカーは、電化製品や配線に漏電が起きると落ちる仕組みになっています。漏電とは、電気回路内で電流が漏れ出る現象です。これは、配線の損傷、電気機器の故障、湿気、絶縁の劣化、または配線と地絡の接触によって引き起こされることがあります。
電気機器が故障している
電気機器やアプライアンスの内部で発生する漏電が、漏電ブレーカーをトリップさせることがあります。
機器本体の故障とともに、電源コードの状態にも注意してください。重量のある家具や家電にコードが踏まれていたりすると、コードが損傷して絶縁不良となり、漏電ブレーカーが落ちる原因になります。
湿気や絶縁の劣化がある
湿度の高い環境や絶縁の劣化が漏電を引き起こす可能性があります。絶縁の検査と保守が重要です。
漏電ブレーカーが落ちてしまう時の対処法
漏電ブレーカーが落ちてしまった場合はどうしたらいいのでしょうか。この項目では、漏電ブレーカーの不具合を判断する方法やブレーカーが落ちた時の対処方法を見ていきましょう。
漏電ブレーカーのテストを行う
定期的に漏電ブレーカーをテストし、正しく動作していることを確認しましょう。通常、漏電ブレーカーにはテストボタンが備わっており、手動でテストできます。テスト時にブレーカーがトリップするのであれば正常です。
電気配線を点検する
電気配線を定期的に点検し、損傷や絶縁の劣化がないことを確認します。配線の交換または修理が必要な場合は、専門家に相談してください。
湿度と絶縁の管理を行う
湿度の高い場所では、絶縁の劣化が進む可能性が高いです。絶縁体の補修や、湿気を管理するための換気システムの使用が考えられます。
コンセントにプラグを差しっぱなしにしている人は、コンセント差込口の周辺にホコリが溜まっていないか確認してみてください。溜まった埃が湿気を含むと、電気を通して漏電を発生させる恐れがあります。コンセントやプラグのメンテナンスも定期的に行いましょう。
電気機器の点検を行う
電気機器やアプライアンスの内部に漏電が発生する可能性がある場合、修理または交換が必要です。故障した機器を使用しないようにしましょう。
故障した機器から漏電すると、機器に触れた人が感電する恐れがあるため、コンセントは必ず抜いておき、取り扱いには十分注意してください。
アンペアブレーカーが落ちるのは電気の使い過ぎ
子ブレーカーや漏電ブレーカーではなく、アンペアブレーカーが落ちる場合は、電気の使い過ぎに原因があります。契約アンペア数を超えた電気が一度に流れると、アンペアブレーカーが落ちる仕組みになっているからです。例えば、電力会社の契約アンペア数が10Aなのに、11Aのアンペアを使用してしまうとブレーカーは落ちます。
アンペアブレーカーが落ちる時の対処法として、一度に使う電気の量を減らすことが挙げられます。どうしても不便を感じる場合は、電力会社に申し出をして契約アンペア数を変更してもらうことが可能です。
分電盤が故障している可能性も
子ブレーカーや漏電ブレーカーが落ちるのが分電盤自体の劣化や故障が原因となると、残念ながら自分では直したり対処することが難しくなります。
本当に故障しているのかの点検も含めて、業者に依頼をすることをおすすめします。
ブレーカーの異常は放っておくと、予期せぬタイミングで電気が落ちて自分が困るだけでなく、火災などの事故を招く原因にもなりかねません。
そのため、「おかしいな?」と思ったらなるべく早く業者に依頼してブレーカーの点検をしてもらいましょう。
もちろん弊社、街の修理屋さんでもブレーカーの点検を行っております。
ブレーカーに関するお困りごとがあれば、是非お気軽にご相談くださいね!
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