安全ブレーカーが落ちる原因は?他のブレーカーが落ちた時の対応も解説
「急に照明の明かりが消えて暗くなった!」なんて経験はありませんか?
まわりの家が停電していないなら、あなたの家のブレーカーが落ちたと考えられます。では、なぜブレーカーが落ちるのかご存知でしょうか?
ブレーカーが落ちる原因はいくつかあります。ブレーカーには3つの種類があり、それぞれ役割が違えば、管理している箇所も違うわけです。
今回はその中でも、トラブルを一番解決しやすい『安全ブレーカー』について解説します。
この記事を読むと、安全ブレーカーが落ちる原因とその対処方法がわかります。
ブレーカーの構成
電力会社から送られた電気は、電線を通り近くの電柱まで高電圧(6600V)で届きます。電柱の上にある変圧器で低圧(100V)になり、引込線で家の中に入ります。
入ってきた電気を、家の中で分けるための設備が『分電盤』です。分電盤の中には主に3つのブレーカーが入っています。
それぞれ簡単に解説します。
特徴 | 落ちる原因 | |
アンペアブレーカー | 契約した電流を管理するブレーカー | 契約アンペアを超えると落ちる |
漏電ブレーカー | 漏電を検知する為の役割を持つブレーカー | 漏電が発生すると落ちる |
安全ブレーカー | 各部屋の電気を管理する役割を持つブレーカー | 一定の場所での電気の使用のしすぎ |
アンペアブレーカー
分電盤の一番左にあるのが『アンペアブレーカー』です。『リミッター』とも言います。電力会社と契約した電流をA(アンペア)で表しています。
契約アンペアを超えると、電気を遮断する(アンペアブレーカーが落ちる)仕組みです。アンペアブレーカーが落ちると家の中全体が停電します。
漏電ブレーカー
分電盤の真ん中にあることが多く、漏電を防ぐための役割があります。漏電による電流の量の変化を察知して、電気を遮断する仕組みです。
漏電ブレーカーがあることで、漏電による火災や感電を防ぐことができます。
安全ブレーカー
電気は、分電盤から各部屋にそれぞれの電気を送るようにできています。
しかし、各部屋によって使える電気量は決まっています。
安全ブレーカーは、分電盤から分岐した回路ごとに設置されているブレーカーです。『子ブレーカー』、『分岐ブレーカー』とも言います。主に部屋ごとに分けたり、電気を多く使う家電の専用回路を作ったりします。
決められている電気量をオーバーしてしまったら安全ブレーカーが落ちるように設計されています。許容量を超えてしまわないように機能してくれるわけですね。
基本的にそれぞれ20Aまで使うことができ、分け方に決まりはなく増設することもできます。安全ブレーカーが落ちた時に暗くならないように、照明を別にすることも多いです。
もし安全ブレーカーがなかったら、電気がキャパオーバーしてしまい、電線の温度がどんどん上がります。その結果火災を招いてしまうこともあります。
電気を安全に使用するために安全ブレーカーは存在しているんですね。
安全ブレーカーと漏電ブレーカーの違い
安全ブレーカーは各部屋ごとに決められた電気量の容量を超えてしまわないように働くものです。
漏電ブレーカーも電気の使い過ぎが原因で落ちてしまうことがあります。しかし、最も疑われる原因は電気の漏電です。
家の中のどこかの電気が漏電してしまっているのを感知して漏電ブレーカーは作動します。
漏電してしまっていたら、そこから温度が上がって火災が起きてしまうリスクがあります。こちらも役割は違えど安全に電気を使用するために働いてくれています。
各ブレーカーが落ちる原因とは?
正しく安全に家庭で電気を使用するために、ブレーカーは作動しています。そのブレーカーが何らかの原因でうまく作動しなくなったり、頻繁に落ちてしまうようになったら困りますよね。
ここでは、ブレーカーが落ちてしまった時に考えられる主な要因について考えていきましょう。
安全ブレーカーの場合
安全ブレーカーはそれぞれ担当している場所があり、その場所の合計の電流を監視しています。分電盤にシールなどが貼ってあり、担当箇所がわかるようになっているはずです。
安全ブレーカーが落ちる原因を解説します。
同じ回路で電化製品を同時に使っている
こちらは誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。
安全ブレーカーは、使っている電流が約20Aを超えると電気を遮断します。家の中の一部が停電した場合は、安全ブレーカーが落ちたと考えられます。
使える電気量は各部屋に流れている回路ごとに上限が決められています。
なので、同じ回路でエアコンやレンジ、ドライヤーなどと同時にたくさんの電気を使ってしまうと、決められている電気量がオーバーしてしまい、安全ブレーカーが作動することとなります。
電力の高い電化製品を使っている
同じ回路で電化製品をいくつも使用していなかったとしても、電力の高い家電を使っていたら安全ブレーカーが落ちてしまうこともあります。
家庭によくある電化製品で消費電力が多いものを挙げると、
・電気ストーブ
・オーブン
・ドライヤー
・食洗器
・掃除機
などが挙げられます。
これらはピークの電力量が高くなる一時的な家電製品ですが、それらに加えて常に高い電力を使っている冷蔵庫やエアコンが加わると電気の許容量が超えてしまう恐れがあります。
冷蔵庫は一度使ったらなかなか電源を落とすことが難しい家電製品なので、バランスを考えて他の電化製品を使っていかなければならないでしょう。
では、『それぞれの安全ブレーカーはどこを担当しているか』知りたくなりますよね?
そこで、安全ブレーカーの担当している場所を調べる方法があります。
- コンセントに電化製品の電源プラグを挿す
- 電化製品のスイッチをONにする
- 安全ブレーカーをOFFにする
電化製品の電源がOFFになったら、そのコンセントと安全ブレーカーは繋がっています。
ここで注意があります。
ブレーカーのON・OFFを繰り返すと故障の原因になる可能性があるので、必要以上にスイッチを上げ下げしないように気を付けてください。
安全ブレーカーが落ちる原因を知ることで対処方法がわかります。
※この確認方法は安全ブレーカーの担当している場所を探す必要がある場合のみ行って下さい。また、行う際にはゴム手袋を付けるなど素手では行わないようにして下さい。
漏電ブレーカーの場合
漏電を検出した際に電気の流れが遮断される仕組みになっており、ブレーカーが落ちます。漏電ブレーカーが落ちると、家全体の電気が使用できなくなりますので注意しましょう。
また、このブレーカーが落ちている場合は、家の中で漏電が発生している可能性が高く、そのままにしておくのは危険な為、専門業者に相談するようにしましょう。
漏電や電気配線のショート
家のどこかで漏電が発生している場合も、漏電遮断器が反応して漏電ブレーカーを落とします。また、電気配線の絶縁部分の劣化や、家電製品の不調・故障によっても漏電することがあります。
アンペアブレーカーの場合
電力会社から供給されているもので、頻繁に落ちるようなら契約アンペアが使用電気量に合っていないのかもしれません。契約アンペアを変更したい場合は、契約している電力会社に連絡しましょう。
契約アンペア以上の電気を使用している
使用している電化製品の消費電力が契約アンペアを超えた場合にブレーカーが落ちます。
ブレーカーを戻すことで復旧はしますが、使用している電化製品が電源がONのままだとまた落ちてしまうので、電化製品のコンセントを抜いたり電源をOFFにしたりするようにしましょう。
電化製品を見直してみる
安全ブレーカーやアンペアブレーカーが落ちないようにするには、担当する場所での電力を制限することです。
簡単に言うと、電化製品を使い過ぎないことです。
電化製品にはそれぞれ『消費電力』があります。消費電力とは、その電化製品を動かすための電気の量です。
使っている電化製品の消費電力を調べることで、安全ブレーカーやアンペアブレーカーが落ちないように調整することができます。
【消費電力の大きな電化製品】
- エアコン
- IHコンロ
- 洗濯乾燥機
- ドライヤー
- 掃除機
などが当てはまります。
落ちないようにする対策とは
ここからは、安全ブレーカーを含め、各ブレーカーが落ちないようにする対策を具体的に説明します。
ブレーカーについての基本的な知識と、電化製品の消費電力がわかっていれば簡単です。
同時に使用する電力を減らす
安全ブレーカーは同じ場所で同時に使う電流を監視しています。ですので、同時に使う電化製品の数を減らせば良いことになります。
一度に使いたい電化製品がある場合は、使う時間を分散させてみましょう。電化製品を使用するタイミングをずらすことで電気が落ちにくくなれば解決できます。
それから、コンセントに繋いでいる電化製品の消費電力を確認してみましょう。消費電力の大きな電化製品は別の部屋に移動するなどして、同じ安全ブレーカーの担当場所で使わないようにしましょう。
漏電対策をする
漏電対策を行うことで、漏電ブレーカーが落ちないように対策をすることができます。以下の内容は簡単に対策ができるので実施してみて下さい。
- 電源コードを曲げたり束ねて使用しない
- コンセントやプラグにホコリを溜めない
- たこ足配線を多用しない
などが当てはまります。
契約アンペア数を見直す
生活していると電化製品の数は増えていきます。消費電力の大きな電化製品も使えると便利ですよね。
そうなると、いくら安全ブレーカーで回路を分岐しても、アンペアブレーカーの容量をオーバーしてしまう可能性があります。するとアンペアブレーカーが落ちて、家全体が停電します。
電化製品の数を増やしたいのなら、契約アンペアを大きくする必要があります。契約アンペアを大きくすることで、分岐回路を増やすことができます。契約アンペアは電力会社に連絡すれば変更できます。
【契約アンペアの変更について】
- メインブレーカーの交換のみなら無料
- 集合住宅の場合は大家さんか管理会社に連絡が必要
- その後1年間は契約変更できない
分岐回路を増やす工事は電力会社の担当外のため、専門業者に依頼する必要があります。
回路を増やすことで余裕ができ、安全ブレーカーは落ちなくなります。
使っていない電化製品がないか見直す
コンセントをつけているだけでも電力を使用していることがあります。
無駄な待機電力を減らすためにも使っていない電化製品がないかを見直し、使っていない電化製品のコンセントは抜くなどの対処をして、電力量の範囲を超えてしまわないように気を付けていきましょう。
それでもブレーカーが直らなければ
ここまで各ブレーカーについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
安全ブレーカーが落ちた時は、まず使っている電化製品を減らします。消費電力の大きい電化製品は、余裕のありそうなコンセントに移動させます。また、同時にたくさんの電化製品を使わないように気を付けます。
そこまで気を付けても安全ブレーカーが落ちてしまう場合は、専門業者に相談しましょう。電気を使い過ぎている以外の理由では、ブレーカーの故障も考えられます。安全ブレーカーの劣化で原因が故障している場合は、ブレーカーの寿命が理由かもしれません。
ブレーカーの寿命は10~13年です。いつからブレーカーを使用しているかも確認してみてください。
故障かも?と思ったら、大きな事故に繋がってしまう前に、専門の業者に調査を依頼しましょう。もちろん弊社、町の修理屋さんでも承っているので、「安全ブレーカーが頻繁に落ちる」など、不安なことがあったら何でも相談してみてくださいね!
故障が疑われる時は専門業者に依頼する
安全ブレーカーが落ちる時、また他のブレーカーが落ちる時に自分でする対策には限界があります。
なぜなら部分的に気を付けても、全体の電力を増やさなければ解決しないかもしれないからです。ブレーカーや分電盤の故障も考えられるため、修理や交換しなければ解決しないこともあるでしょう。
以下のような症状が発生していないか確認してみてください。
- ブレーカーが頻繁に落ちる
- 分電盤の表面が熱くなったり焦げたりしている
- 分電盤から異音がする
- テレビの画面が乱れることがある
- 室内の照明が不安定
- 電気代が通常より高い
できることは自分で確認し、それでもわからない場合は専門業者に相談することをおすすめします。豊富な経験がありますから、現在の状況を確認した上で、最善の解決方法を教えてくれるはずです。
困った時やわからない時は、自分だけでなんとかしようとせずに、どうぞお気軽にご相談ください。
※消費税転嫁対策特別措置法の失効により令和3年4月1日から、消費税の税込価格表示(総額表示)が適用されます。これに伴い、当サイトの価格はすべて消費税10%を含む税込みの総額を表記しております。
※ページ内に掲載されている料金は作成日当時のものです。状況や時期により実際の料金とは異なる場合がありますので、詳細は電話でお問い合わせください。