カラスの寿命と生態・長生きするってほんとなの?

外へ出れば、1日1度は目にするといってもいいカラス。日本人には馴染み深い、身近な存在ですよね。たくさんのカラスが電線に留まっている姿は、なんとも威圧感があります。またゴミを荒らしたり人を威嚇したりと、なにかと迷惑な存在でもあります。都市部などでカラスは増加傾向にあり、姿を見る機会も多くなっています。

そんなカラスについて、みなさんどれほど知っていますか。たくさんいるカラスですが、ヒナを見たことはない。またたくさんいるはずなのに、死んでいる姿は見かけないなど。カラスは身近な存在ですが、その生態について詳しく知っている方はそうそういません。そこで今回の記事では、カラスの寿命と生態についてご紹介。増えるカラスはどこで生まれ、何年生きて死ぬのか。そんなところを詳しくご説明していきます。

カラスの寿命

街中でも住宅地でも、頻繁に見かけるカラス。見かけない日はないというほどですが、私たち人間の目では個体の判別が難しいですよね。そのカラスが何歳なのかも、ずっといるのかもわかりません。また昨日見たカラスが、今日見たカラスと同じなのかもわからないので、歳を取ったカラスなのか、若いカラスなのかも判断がつきません。

そこで気になるカラスの寿命ですが、環境によって大きくことなるようです。

野生のカラスの場合

野生のカラスの場合、その寿命は10年から15年ほどと言われています。これは生息している場所によっても違い、都市部のカラスと山林などにいるカラスでも異なります。また老衰などで死んでしまう前に、事故や病気などで死ぬこともあるので、平均すると10年くらいになります。

飼われているカラスの場合

人間に飼われているカラスの場合、その寿命は20年から30年ほど。野生のカラスよりも長生きになります。これは野生よりも飼育されているほうが、エサにも困らないからです。また怪我や病気をした場合も獣医に見てもらえる、天敵がいないなど守られた状況なので、長生きになります。

また日本にはいない種類のカラスですが、コクマルガラスというカラスが、人間の飼育下で60年生きたという記録も残っています。

ちなみに、野生のカラスを飼育するのは、日本の法律では禁止されています。上記の飼育したカラスというのも、動物園など国の許可を取った環境での飼育なので注意してください。

ほかの鳥との寿命の比較

カラスの寿命がわかったところで、ほかの鳥と寿命を比べてみましょう。

野生飼育
カラス10年〜20年(平均10年)20年〜30年(最高60年)
スズメ1年〜10年(平均3年)10年以上
ハト10年〜20年(平均10年)
ムクドリ5年〜7年

こうして比べてみると、カラスはほかの鳥とくらべても寿命が長いことがわかります。ではなぜほかと比べて寿命が長いのかというところを見ていきます。

カラスの寿命が長い理由

理由1 頭の良さ

カラスの寿命の長さの秘訣は、ズバリ頭のよさにあります。人間の7歳児くらいの知能のあるカラスは、危険を察知する能力や伝える能力に優れています。このためカラスは仲間に危険が迫ると、いち早く伝えて危険を回避します。このため天敵に襲われる機会もグッと減り、ほかの動物と比べても寿命(老衰)前に死ぬ確率も減るというわけです。また記憶力もあるので、危険な場所は覚えて近づかなくなります。

理由2 目の良さ

カラスは頭がいいのに加えて、目もよくエサを取るのが上手い鳥です。遠くからでもエサのありかを判別して、見つけ出してしまいます。カラスがゴミ袋を漁るのがまさにそれで、袋の中にある生ゴミを認識してしまいます。

理由3 丈夫さ

頭のよさ、目のよさもさることながら、身体も丈夫なのがカラスです。病気にかかりづらく、少しの怪我であれば放っておいても問題ありません。生ゴミなどを食べても、病気になったり体を壊すことがないのはそのためです。

カラスが都市部にいる理由

カラスも野生動物なので、森などで暮らしているのが普通です。童謡などでも、夕方になったらカラスは森に帰ると言われています。ですが近年では、夜でも住宅地で鳴き声を聞いたり、街中で姿をみることがあります。カラスが森に帰らなくなり、人々の身近なところで生息しているのがわかります。そこでここでは、カラスが都市部に住み着いている理由をご紹介していきます。

理由1 エサが豊富

なんといっても、エサが豊富なのが都市部です。森では木の実や昆虫を取って食べるカラスですが、都市部では主にゴミを漁ったり人が撒いたエサを食べて暮らしています。とくに人々が出した生ゴミは、自然界で取れる木の実や昆虫よりも栄養が豊富です。またわざわざエサを探す必要もなく、決まった場所の決まった曜日に出されるので、エサを取るのが楽になります。カラスは頭がいいので、こうした都市部のエサ場に目をつけて、森に帰らなくなっています。

理由2 天敵がいない

カラスにとっての天敵がいないのが都市部です。森などの自然にいるカラスは、タカやワシなどの猛禽類が天敵。猛禽類はカラスや巣を襲って食べてしまいます。ですが都市部には、こうした天敵がまずいません。都市部での天敵は人間ともいえますが、カラスを襲ったり食べることはまずありません。野良猫もカラスの天敵ですが、カラスの方が頭がいいので襲われても逃げてしまいます。

都市部はカラスに住みやすい

こうした2つの理由から、都市部はカラスの住みやすい場所になっています。森で危険や苦労をしてまで暮らすよりも、エサが豊富で天敵のいない都市部での生活の方がいいというわけです。このためカラスは森から都市部に移り住み、栄養の豊富なエサを食べて寿命も伸び、個体数も増えています。

カラスのヒナを見ない理由

都市部で増え続けているカラスですが、その巣やヒナをみることはあまりありません。これはカラスが木の上などの高いところに巣を作る習性があるからです。カラスはとても頭がよく警戒心が強いので、外敵に狙われないところに巣を作ります。都市部でいう外敵は人間になるので、人間の目の届かないところに巣を作ります。またカラスの成長は早く、卵が孵化してから2ヶ月ほどで大人と同じ姿になります。そのころには巣立って空を飛び回るので、ヒナとしての姿をみることがほぼないのです。

ただ人慣れしたカラスだと、あえて人の目につくところに巣を作ることがあります。これは家のベランダやビルの屋上、電信柱の上などです。卵を襲う外敵、野良猫に襲われないためにこうしたところに作るようです。カラスのヒナについては、こちらの「カラスのヒナを拾ったときの対処法と巣立ちの注意点」でより詳しく説明しています。気になった方は、合わせてチェックしてみてください。

カラスの死体を見ない理由

増えているカラスですが、不思議と死体を見ることはほぼありません。その理由はヒナを見ない理由とも関係していて、カラスは寿命が近づくと巣に帰る習性があるからです。老衰や病気で元気がなくなったカラスは、巣に帰ってじっとしています。そのまま巣で死んでしまうので、人が死骸を見る機会がないのです。

稀に街中で死んでいる姿を見ることがありますが、それはほぼほぼ事故が原因。そのほとんどが車との接触事故ですが、カラスは頭がいいので車に引かれることもほとんどありません。また事故などで街中で死んでしまったカラスは、自治体が回収してしまいます。そのため放置されることもなく、人が見る機会はほとんどありません。

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